“投手・大谷”が絶好調だ。と言ってもピッチングの話ではない。開幕直後に比べると、このところ明らかに悪くなっている投球内容ではなく、投手として打席に立った際のバッティングがすさまじいのだ。
大谷翔平が示す“驚異的パフォーマンス”に米記者が注目! 現在MLBトップを記録する 「投打5項目」とは?
5月15日のマーリンズ戦では単打、本塁打、三塁打を放ち「先発マウンドに立った選手では初」のサイクルヒットにあと一歩と迫った。6月9日のマリナーズ戦でも単打、本塁打、二塁打で再び偉業を成し遂げる寸前まで行った。
今季、投手として立った打席での数字は38打数17安打の打率.447、OPS1.286。指名打者での.276/.954を大きく上回る。年間100打席以上の投手の最高打率(※1901年以降)は、1925年のウォルター・ジョンソンが記録した.433(97打数42安打)で、今のところこれを上回るペースだ。通算でも203打席、173打数で49安打の.283。よく比較の対象になるベーブ・ルースは、通算打率.342ながら投手としては.272にすぎない。
もっとも、ホームランはこの2試合で打った2本だけ。6月15日のレンジャーズ戦での22号アーチも、マウンドを降りてから指名打者(DH)に回って記録したものなのでカウントはされない。昨年も28試合で2本、通算62試合で7本と意外に少なく、「投手兼任の打者」では史上最強であっても、「投手として史上最強の打者」であるとは、数字上ではまだ言えない。 なお、ルースも通算714本塁打のうち、投手として打ったのは大谷と同じ7本なので、次の一発で「投手・ルースの本塁打数」を超える。だが、その先にはまだまだ多くの強打の投手たちが残した記録が待っている。
年間の最多本塁打数は、31年にウェス・ファーレル(インディアンス)が記録した9本。この年チームトップの22勝を挙げたエースは、本塁打数もチーム3位だった。しかしながら、代打としては7試合に起用されたものの、バッティングを生かすために投手以外のポジションにつくことはなかった。ルースが2ケタ勝利&2ケタ本塁打を記録した18年から、13年しか経っていないのに、すでに投打二刀流の概念がほぼ消滅していたことが窺える。
ファーレルは通算でも38本塁打、うち37本を登板時に打っており、こちらも史上最多。当時は今よりも先発登板数も、投球回数も多かったので、その分打席に立つ機会が増えたこともあったが、この本数を超えるまでにはたとえ大谷でも時間がかかりそうだ。
ファーレル以外にも通算30本塁打以上の投手は5人いる。また、23本以上打っている10人のうち、通算417勝のジョンソン(23本)、363勝のウォーレン・スパーン(35本)ら7人は野球殿堂入り。ファーレルも殿堂にこそ入っていないものの、6度の20勝を含む通算193勝を挙げている。日本ではよく「好投手はバッティングもいい」と言われるが、アメリカでも同じようだ。
大谷翔平が示す“驚異的パフォーマンス”に米記者が注目! 現在MLBトップを記録する 「投打5項目」とは?
5月15日のマーリンズ戦では単打、本塁打、三塁打を放ち「先発マウンドに立った選手では初」のサイクルヒットにあと一歩と迫った。6月9日のマリナーズ戦でも単打、本塁打、二塁打で再び偉業を成し遂げる寸前まで行った。
今季、投手として立った打席での数字は38打数17安打の打率.447、OPS1.286。指名打者での.276/.954を大きく上回る。年間100打席以上の投手の最高打率(※1901年以降)は、1925年のウォルター・ジョンソンが記録した.433(97打数42安打)で、今のところこれを上回るペースだ。通算でも203打席、173打数で49安打の.283。よく比較の対象になるベーブ・ルースは、通算打率.342ながら投手としては.272にすぎない。
もっとも、ホームランはこの2試合で打った2本だけ。6月15日のレンジャーズ戦での22号アーチも、マウンドを降りてから指名打者(DH)に回って記録したものなのでカウントはされない。昨年も28試合で2本、通算62試合で7本と意外に少なく、「投手兼任の打者」では史上最強であっても、「投手として史上最強の打者」であるとは、数字上ではまだ言えない。 なお、ルースも通算714本塁打のうち、投手として打ったのは大谷と同じ7本なので、次の一発で「投手・ルースの本塁打数」を超える。だが、その先にはまだまだ多くの強打の投手たちが残した記録が待っている。
年間の最多本塁打数は、31年にウェス・ファーレル(インディアンス)が記録した9本。この年チームトップの22勝を挙げたエースは、本塁打数もチーム3位だった。しかしながら、代打としては7試合に起用されたものの、バッティングを生かすために投手以外のポジションにつくことはなかった。ルースが2ケタ勝利&2ケタ本塁打を記録した18年から、13年しか経っていないのに、すでに投打二刀流の概念がほぼ消滅していたことが窺える。
ファーレルは通算でも38本塁打、うち37本を登板時に打っており、こちらも史上最多。当時は今よりも先発登板数も、投球回数も多かったので、その分打席に立つ機会が増えたこともあったが、この本数を超えるまでにはたとえ大谷でも時間がかかりそうだ。
ファーレル以外にも通算30本塁打以上の投手は5人いる。また、23本以上打っている10人のうち、通算417勝のジョンソン(23本)、363勝のウォーレン・スパーン(35本)ら7人は野球殿堂入り。ファーレルも殿堂にこそ入っていないものの、6度の20勝を含む通算193勝を挙げている。日本ではよく「好投手はバッティングもいい」と言われるが、アメリカでも同じようだ。
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