ドラフト指名から約7年、さまざまなポジションを渡り歩いた末に、マット・サイスはようやくメジャーリーグでの居場所を見つけた。そこは、慣れ親しんだ本来のポジションだった。
2016年のドラフトで、エンジェルスに全体16位で指名された時、サイスはバージニア大で強打の捕手として鳴らしていた。しかし、エンジェルスはサイスをすぐ一塁へコンバートした。
その後、レフトや三塁、二塁などさまざまなポジションを経験し、打撃でも思うようにいかない時期が続いたサイスだったが、21年に捕手へ復帰。今季はメジャーでの出場機会を大幅に増やし、6月19日(現地)時点で出塁率.377、OPS.761と好成績を残している。
「気持ち良く守れているよ」。サイスは捕手というポジションについて語る。「それに、打撃にも役に立っていると思う。もちろん、守備については今も猛勉強中だ。毎日、いろんなことを微調整していかなきゃいけない。だけど、ストレスは感じていない。気分良くできているよ」
もっとも、ほんの2ヵ月前まではバラ色とはまったく言えない状況だった。オープン戦最後の22打数ノーヒットで、シーズンが始まってからも最初の12打数は0安打だった。 しかも、4月15日のレッドソックス戦では守備でも悪夢を味わった。あまりにも打席の近くでミットを構えていたため、レッドソックスの打者のスウィングがサイスのミットに当たる場面が1イニングで2度もあった(記録上は捕手の失策)。これが要因となってエンジェルスは逆転負けを喫した。
試合後、静まり返ったクラブハウスで、ロッカーの前に座っていたサイスは慰めようもないほどだった。記者たちの質問に応じたサイスは「胸がムカムカする」と語った。
だが数日後、ルーキー捕手のローガン・オホッピーが右肩を痛め、手術を受けることになった。ベテラン主戦捕手のマックス・スタッシも開幕から戦線を離れていたため、サイスの出場機会が増えた。そして、サイスはそのチャンスを見事にモノにしたのだ。
「もちろん、つらかったよ」。壊滅的なシーズン序盤を振り返ってサイスは言う。「だけど、そもそも僕のキャリアはずっと楽じゃなかったから。打撃はまだ最高の状態を経験したことがないし、守備でも、いろんなポジションを守ってどこでも苦戦した。過去にこれだけ失敗してきたからこそ、今度も引きずらずに済んだんだ。そういう意味では、僕はラッキーだよ。すぐ切り替えることができたからね」
サイスの苦難の道はプロ入り直後に始まった。球団から捕手のギアを取り上げられ、一塁コンバートを命じられたのだ。球団は当時、サイスの肩はメジャーリーグの捕手としては不十分と考えた。また、サイスの打撃を高く評価していたがゆえに、守備の負担が大きい捕手以外のポジションを守った方がメジャーに早く昇格できると考えたのだ。
2016年のドラフトで、エンジェルスに全体16位で指名された時、サイスはバージニア大で強打の捕手として鳴らしていた。しかし、エンジェルスはサイスをすぐ一塁へコンバートした。
その後、レフトや三塁、二塁などさまざまなポジションを経験し、打撃でも思うようにいかない時期が続いたサイスだったが、21年に捕手へ復帰。今季はメジャーでの出場機会を大幅に増やし、6月19日(現地)時点で出塁率.377、OPS.761と好成績を残している。
「気持ち良く守れているよ」。サイスは捕手というポジションについて語る。「それに、打撃にも役に立っていると思う。もちろん、守備については今も猛勉強中だ。毎日、いろんなことを微調整していかなきゃいけない。だけど、ストレスは感じていない。気分良くできているよ」
もっとも、ほんの2ヵ月前まではバラ色とはまったく言えない状況だった。オープン戦最後の22打数ノーヒットで、シーズンが始まってからも最初の12打数は0安打だった。 しかも、4月15日のレッドソックス戦では守備でも悪夢を味わった。あまりにも打席の近くでミットを構えていたため、レッドソックスの打者のスウィングがサイスのミットに当たる場面が1イニングで2度もあった(記録上は捕手の失策)。これが要因となってエンジェルスは逆転負けを喫した。
試合後、静まり返ったクラブハウスで、ロッカーの前に座っていたサイスは慰めようもないほどだった。記者たちの質問に応じたサイスは「胸がムカムカする」と語った。
だが数日後、ルーキー捕手のローガン・オホッピーが右肩を痛め、手術を受けることになった。ベテラン主戦捕手のマックス・スタッシも開幕から戦線を離れていたため、サイスの出場機会が増えた。そして、サイスはそのチャンスを見事にモノにしたのだ。
「もちろん、つらかったよ」。壊滅的なシーズン序盤を振り返ってサイスは言う。「だけど、そもそも僕のキャリアはずっと楽じゃなかったから。打撃はまだ最高の状態を経験したことがないし、守備でも、いろんなポジションを守ってどこでも苦戦した。過去にこれだけ失敗してきたからこそ、今度も引きずらずに済んだんだ。そういう意味では、僕はラッキーだよ。すぐ切り替えることができたからね」
サイスの苦難の道はプロ入り直後に始まった。球団から捕手のギアを取り上げられ、一塁コンバートを命じられたのだ。球団は当時、サイスの肩はメジャーリーグの捕手としては不十分と考えた。また、サイスの打撃を高く評価していたがゆえに、守備の負担が大きい捕手以外のポジションを守った方がメジャーに早く昇格できると考えたのだ。