高校野球

ベスト16が出揃った夏の甲子園。識者が厳選した優勝候補4校をピックアップ!すべてに共通した”強み”とは――

西尾典文

2023.08.16

夏の甲子園も、ついにベスト16が出揃った。識者が今大会の優勝候補を予想した。写真:THE DIGEST写真部

 8月14日にベスト16が出揃った夏の甲子園。延長タイブレークや逆転劇など劇的な試合もあったものの、力のあるチームが比較的順当に勝ち進んでいる印象を受ける。

 なかでも、2回戦までの戦いぶりで強さを感じさせたのは仙台育英(宮城)、履正社(大阪)、広陵(広島)、慶応(神奈川)の4チーム。そして3回戦では、この4校が早くも直接激突する。

 4チームに共通しているのが、上位から下位まで力のある打者を揃えている点だ。中軸を抑えても気を抜くことができず、対戦する相手からすると緊張の解けない打線が続く。打撃だけでなく、脚力のある選手が多いというのも共通した強みだ。
 
 この4校から優勝チームが出る可能性が高いと考えるが、気になるのは投手の状態だ。実績では、昨年夏に優勝を経験した投手を揃える仙台育英が頭ひとつリードしているように見えるが、ここまで浦和学院(埼玉)、聖光学院(福島)という難敵と戦ってきたこともあり、捉えられているシーンが目立つ。

 この夏の主戦となっている湯田統真(3年)も150キロをマークして注目を集めているとはいえ、ストレートは数字ほどの威力を発揮していない。エースの高橋煌稀(3年)が本調子ではなく、左の仁田陽翔(3年)も投げてみないと分からない不安定さがあり、そこまでの安定感は感じられない。

 逆にその仙台育英と3回戦で対戦する履正社は、3年生の福田幸之介が大阪大会ほどの出来ではないが、エースの増田壮(3年)は1回戦で抜群の投球を見せており、2回戦ではその増田を温存して勝ち切ったことが大きい。仙台育英が有利という声も多いが、ここは履正社が勝ち切ると予想したい。
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