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高校野球

ベスト16が出揃った夏の甲子園。識者が厳選した優勝候補4校をピックアップ!すべてに共通した”強み”とは――

西尾典文

2023.08.16

熱闘が連日繰り広げられている夏の甲子園。深紅の大優勝旗を掴むのは、はたして――。写真:THE DIGEST写真部

熱闘が連日繰り広げられている夏の甲子園。深紅の大優勝旗を掴むのは、はたして――。写真:THE DIGEST写真部

 広陵は高尾響(2年)、慶応は小宅雅己(2年)と、両校とも2年生エースが柱で、初戦の内容的には小宅の方が良かった印象だ。ただ、本調子ではない中でも7回を自責点1に抑えた高尾も今大会を代表する実力派で、小さく変化するボールは慶応の強力打線といえども簡単に捉えるのは難しいだろう。また、2番手以降の投手の層を考えると広陵の方がやや厚みがあると考えられるだけに、この対戦は広陵に軍配が上がると予想する。

 優勝については、準々決勝以降の組み合わせで左右される部分も大きいが、2回戦からの登場で消化試合が1試合少なく、また、選抜で長い期間甲子園で戦った経験を持つ広陵を推したい。

 例年以上の猛暑の中、1試合を戦うだけでもダメージは大きく、それを考えるとやはり2回戦から登場するチームの方が圧倒的に有利だろう。台風7号の影響で15日の試合が順延となり、2回戦と3回戦の間が1日長くなったことは、初戦で不安定だった広陵の高尾にとってもプラスで、3回戦と準々決勝の間に2日休みがあるというのも大きい。次戦で慶応にしっかりと勝ち切れれば、一気に悲願の夏の甲子園初優勝が見えてくるだろう。
 
 この4校以外で優勝の可能性を感じさせるのが、八戸学院光星(青森)だ。初戦は洗平比呂(2年)が1人で投げ切って完封勝利をマークしたが、青森大会まで背番号1を背負っていた岡本琉奨(2年)も力があり、春の東北大会では仙台育英を破って優勝している。

 打線も初戦は5安打だったものの、凡打でもしっかりと捉えた打球が多く、得点力は高い。守備は前述の4校に比べるとやや不安定な部分もあるが、日程的にも、広陵と同様に2回戦から登場というのはプラス要因だ。昨年の仙台育英に続く「東北勢の連覇」も十分に期待できるだろう。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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