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不良債権+若手スターの「ドラクエⅢ式抱き合わせトレード」を画策するレッドソックスの思惑とは?

2019.12.13

今季は22試合に登板して防御率4.28に終わったプライス。左ヒジや左手首の故障にも悩まされた。(C)Getty Images

今季は22試合に登板して防御率4.28に終わったプライス。左ヒジや左手首の故障にも悩まされた。(C)Getty Images

 今から30年以上も前の話だが、ファミコンソフトの『ドラゴン・クエストⅢ』が発売された時のフィーバーぶりといったらすごかった。発売日は販売店に徹夜の行列が並び、あっという間に売り切れ。どこへ行ってもソフトが手に入らない時期がしばらく続いたほどだった。

 この時、話題になったのが「抱き合わせ商法」だった。超人気の『ドラクエⅢ』と、いわゆる「クソゲー」と呼ばれるような不人気ソフトを2本セットで売りつけるのだ。この狡猾な手法に当時のキッズたちは憤怒しつつも、ドラクエ欲しさに何とかお母さんを説得しようと試みたものだった。一方、販売店にすれば、不良在庫を一掃するチャンスに乗じたわけで、是非はともかく手法としては合理的ではある。

 これにヒントを得て……というのは冗談だが、今、レッドソックスが不良債権化した選手を魅力的な若手とのパッケージでトレードしようと画策している。ドラクエⅢとは真逆の形だが、思考パターンは同じだ。
 
「不良債権化した選手」とは、2015年オフに投手としては当時史上最高の7年2億1700万ドルで入団したデビッド・プライスのこと。12年にサイ・ヤング賞に輝いた実績もあるプライスは、レッドソックス加入後も16年に17勝、18年には16勝を挙げて世界一に貢献するなど、それなりには活躍している。ただ、34歳という年齢や故障の多さも加味すると、向こう3年で9600万ドルのサラリーはかなり割高なのも事実。レッドソックスはこのオフ、総年俸をぜいたく税課税ラインの2億800万ドル以下に削減することを最優先課題としているだけになおさらだ。

 しかし今、プライスの契約を額面通りに引き取ってくれるチームなどない。そこで浮上したのが、若手外野手のアンドリュー・ベニンテンディを「抱き合わせ」にするアイデアだ。
 

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