ニューヨークに寂しい秋がやって来る――。9月24日、ヤンキースは本拠地でのダイヤモンドバックス戦に1対7で敗れ、同日、ブルージェイズが勝ったことで、プレーオフ進出を逃すことが決まった。メジャー最高の伝統チームは7年ぶりに最も大事な季節にプレーできなくなった。
大谷翔平の争奪戦は“ロサンゼルス対ニューヨーク”?「ドジャースは有力候補だが、メッツも排除できない」「ヤンキースは…」米名物記者が予想
その数日前、史上最高の総年俸で今季に臨んだメッツのポストシーズン逸も決定している。ニューヨークのチームがどちらもプレーオフを逃すのは2014年以来のこと。球音の消えた大都会の秋は物足りないものになりそうだ。
「毎年言っているけど、優勝できなかったら失敗だ。多くのことが悪い方向に行った。改善すべきことはたくさんある」
24日の試合後、ヤンキースの新キャプテンに就任して1年目にこの屈辱を味わったアーロン・ジャッジは無念を隠さなかった。実際、このオフはヤンキースにとって、そしてメッツにとっても重要な時間になる。ニューヨークに興奮を取り戻すために、チームに大変革をもたらさなければならない。
ヤンキース、メッツはどちらも今オフFAになる大谷翔平(エンジェルス)の獲得候補に挙げられている。投打の両方でエリート級の力を証明してきた二刀流の怪物を獲得できれば、文字通り最高の補強になる。ニューヨークの2大フランチャイズは威信をかけてか“大谷争奪戦”に参戦してくるのだろうか。
ただ、すでに盛んに報道されてきたことでもあるのだが、現実的にこの2チームの大谷獲得の可能性は決して高くはなさそうだ。 先代オーナーのジョージ・スタインブレナーが存命の時代であれば、大谷ほどの実力、話題性を備えたスーパースターの争奪戦にヤンキースが首を突っ込まないことなど考えられなかった。しかし時は流れ、今のヤンキースは依然として金満球団ではあるものの、かつて“悪の帝国”と呼ばれた頃とはかなりカラーが変わってきている。
そもそも、現オーナーのハル・スタインブレナーは父親のような大盤振る舞いを好まない。すでに現状でジャッジ、ジャンカルロ・スタントン、ゲリット・コール、カルロス・ロドンと超大型契約の選手を4人も抱えており、金銭的な意味でのフレキシビリティに乏しい。最近では『ジ・アスレティック』の有名記者ケン・ローゼンタールがポッドキャストで「年俸3500万ドルの選手を2人(ジャッジ、コール)も保有しているから、これ以上のことをやるとは思えない」と述べ、少なくとも年俸総額5億ドルに達すると見られる大谷の獲得には否定的な見解を。
さらに具体的な話をすると、スタントンとの契約はまだあと4年も残っているため、大谷に二刀流を遂行させるために必要なDHのスポットに空きがない。先発投手陣を見ても、大谷を組み入れるために必須な6人ローテーションをエースのコールが望むかどうかは疑わしい。
それらの背景から、ヤンキースが大谷争奪戦の本命に挙げられることはほとんどなくなった。もちろん、17年オフのメジャー入り時にはニューヨークを望まなかったとされる大谷が心を変え、ピンストライプのユニフォームを着ることを熱望するような事態になれば話は急展開するかもしれない(その際には、スタントンの引き取り先をどうにかして探し出さないといけないが)。いずれにしても、現状でのヤンキースはせいぜい“ダークホース”くらいの扱いが適切だろう。
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「毎年言っているけど、優勝できなかったら失敗だ。多くのことが悪い方向に行った。改善すべきことはたくさんある」
24日の試合後、ヤンキースの新キャプテンに就任して1年目にこの屈辱を味わったアーロン・ジャッジは無念を隠さなかった。実際、このオフはヤンキースにとって、そしてメッツにとっても重要な時間になる。ニューヨークに興奮を取り戻すために、チームに大変革をもたらさなければならない。
ヤンキース、メッツはどちらも今オフFAになる大谷翔平(エンジェルス)の獲得候補に挙げられている。投打の両方でエリート級の力を証明してきた二刀流の怪物を獲得できれば、文字通り最高の補強になる。ニューヨークの2大フランチャイズは威信をかけてか“大谷争奪戦”に参戦してくるのだろうか。
ただ、すでに盛んに報道されてきたことでもあるのだが、現実的にこの2チームの大谷獲得の可能性は決して高くはなさそうだ。 先代オーナーのジョージ・スタインブレナーが存命の時代であれば、大谷ほどの実力、話題性を備えたスーパースターの争奪戦にヤンキースが首を突っ込まないことなど考えられなかった。しかし時は流れ、今のヤンキースは依然として金満球団ではあるものの、かつて“悪の帝国”と呼ばれた頃とはかなりカラーが変わってきている。
そもそも、現オーナーのハル・スタインブレナーは父親のような大盤振る舞いを好まない。すでに現状でジャッジ、ジャンカルロ・スタントン、ゲリット・コール、カルロス・ロドンと超大型契約の選手を4人も抱えており、金銭的な意味でのフレキシビリティに乏しい。最近では『ジ・アスレティック』の有名記者ケン・ローゼンタールがポッドキャストで「年俸3500万ドルの選手を2人(ジャッジ、コール)も保有しているから、これ以上のことをやるとは思えない」と述べ、少なくとも年俸総額5億ドルに達すると見られる大谷の獲得には否定的な見解を。
さらに具体的な話をすると、スタントンとの契約はまだあと4年も残っているため、大谷に二刀流を遂行させるために必要なDHのスポットに空きがない。先発投手陣を見ても、大谷を組み入れるために必須な6人ローテーションをエースのコールが望むかどうかは疑わしい。
それらの背景から、ヤンキースが大谷争奪戦の本命に挙げられることはほとんどなくなった。もちろん、17年オフのメジャー入り時にはニューヨークを望まなかったとされる大谷が心を変え、ピンストライプのユニフォームを着ることを熱望するような事態になれば話は急展開するかもしれない(その際には、スタントンの引き取り先をどうにかして探し出さないといけないが)。いずれにしても、現状でのヤンキースはせいぜい“ダークホース”くらいの扱いが適切だろう。
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