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プロ野球

「自分には一番縁がないタイトルだと思っていたのに……」オリックス頓宮裕真が初の首位打者獲得に思いを語る【オリ熱コラム2023】

どら増田

2023.10.12

昨年までは控え捕手だった男がレギュラー定着で初の快挙。森の後ろを打つ5番打者として3連覇に貢献した。写真:野口航志

昨年までは控え捕手だった男がレギュラー定着で初の快挙。森の後ろを打つ5番打者として3連覇に貢献した。写真:野口航志

 パ・リーグは10日に全日程を終了し、各タイトルが確定した。首位打者はオリックスの頓宮裕真が、打率.307で初受賞。頓宮は9月13日の日本ハム戦を最後に体調不良で戦線離脱していたが、20日の胴上げやリーグ優勝会見、ビールかけには参加していた。その後もシーズン中の復帰を目指していたが、検査をしたところ左足の疲労骨折が発覚。そのままシーズンを終えていたが、すでに規定打席には達していたことから、近藤健介、柳田悠岐(ともにソフトバンク)らの猛追をかわして逃げ切った。

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 終盤の離脱は痛かったにしても、頓宮はチームのリーグ3連覇に大きく貢献した。リーグ全体でも3割打者は頓宮のみという状況の時もあるなど、クリーンナップの一角としてチームが独走状態に入るまで安定した活躍を見せたのは大きい。また、キャリアハイとなる16本塁打を放つなど、パワーでも存在感を発揮。決め台詞の「ほいさー」も定着した。捕手登録だが、今年は主に一塁手として活躍した。本人も「ゴールデングラブを獲りたい」と冗談めかして話していたが、実際に候補には挙がるのではないか。

 躍進の要因として、今季からチームに加入した森友哉の存在も大きかったようだ。頓宮は「当たり前というか、毎日同じことをやるというのを森さんに教えてもらった。そこは、めっちゃ助かりました」と感謝の意を述べている。
 
 優勝決定後のセレモニーでは、今季からレッドソックスへ移籍した吉田正尚がビデオメッセージを寄せ、「頓宮選手、首位打者を獲ってください」とエール。現在も交流がある吉田の思いにも応えることができた。首位打者が確定した際には、「自分にとっては、一番縁が無いタイトルだと思っていましたし、素直に嬉しく思います。リーグ3連覇に少しは貢献できたかなと思いますが、シーズン終盤はケガで出場できませんでしたので、そこに関しては悔いが残っています」と喜びの中に少し複雑な心境を語った。現在は「一日でも早く怪我を治して、もう一度、CS、日本シリーズでチームに貢献できるように頑張りたいと思います」と、ポストシーズンへの復帰を目指して頑張っている。

 シーズン最終戦にもファンの前で元気な姿を見せていただけに、仮にポストシーズンに間に合えば、2年連続の日本一へ向けてチームを勢いづけられるのは言うまでもない。もちろん焦りは禁物だが、吉報を待ちたい。

取材・文⚫︎どら増田

【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。

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