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大学野球

コロナ禍の自主トレで大きく飛躍した‟二刀流”! プロ数球団が注目する近畿2部の大砲はMAX153キロのリリーバー

大友良行

2023.10.15

近畿2部の太成学院大に所属する田中。二刀流として注目を浴びるドラフト候補だ。写真:大友良行

近畿2部の太成学院大に所属する田中。二刀流として注目を浴びるドラフト候補だ。写真:大友良行

 コロナ禍でとんでもない大砲が育っていた。

 大阪府富田林市の太成学院大グラウンドでの練習試合で、高めの真っすぐを豪快に右越えに運び、大きなストライドでダイヤモンドを駆け抜けるスラッガー。近畿学生野球連盟の2部に所属する太成学院大の田中大聖(やまと)にとって、大学通算19本目のホームランだ。
 
 野球界ではあまり聞いたことのない大学名だが、現在1部昇格を目指して奮闘中のチームだ。その先頭に立って、主将、4番打者として牽引するのが右投げ左打ち、178センチ・95キロの田中である。

 投手もやるので“大谷二世”とも評されてもいる。来る26日のドラフト候補生のひとりだ。地方リーグなので「知る人ぞ知る」存在だが、すでに数球団のスカウトは調査をしている。

 田中は2002年1月29日生まれの藤井寺市出身。小学2年から野球をはじめ、捕手と内野手。河南シニアでは体も小さくバントのうまい2番打者だった。高校進学時は「とりあえず甲子園に出たい」ということで、可能性の高い大阪から遠く離れた山形の鶴岡東の門を叩いた。念願が叶い、3年夏の2009年第101回全国高校野球選手権甲子園大会に出場。高松商、習志野を下して勝ち上がったが、3回戦で関東一高に延長11回の末、敗れてしまった。しかも甲子園では一度も出場機会がなく背番号18でベンチから声援を送るだけだった。

 大学進学は、「ただ野球を続けたい」という軽い気持ちで実家から通えるし、中学時代の知り合いも多くいる太成学院大へ。さらに先輩からは「4年間楽しくできるよ」と聞いていたのも決め手となった。

 当時はコロナが世の中を吹き荒れていた真っ最中。その上、下級生の時は、ケガが多く満足な練習もできなかった。野球を楽しむにもグラウンドはコロナで使用禁止の毎日。時間を持て余していたのでジムに通い続けた結果、急激に体が大きくなる。身長は170センチから178センチまで伸び、体重も77キロが92キロへと大幅アップ、頑丈な体が出来上がった。
 
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