プロ野球

日本シリーズ史上2度目の“関西ダービー”。59年前は『南海が日本一』『東京五輪』『年間55本塁打』『シンザン三冠』などが歴史的金字塔

THE DIGEST編集部

2023.10.23

今年の日本シリーズは阪神とオリックスが対峙。59年ぶりの関西ダービーが実現した。(C)THE DIGEST

 関西の威信を懸けた正真正銘の頂上決戦が、小さくない話題を呼んでいる。

 10月21日、オリックスがクライマックスシリーズのファイナルステージを4勝1敗で制し、3年連続日本シリーズ進出を決めた。一方、セ・リーグは阪神が広島を無傷の3連勝でアドバンテージを含む4勝とし撃破。2014年以来、9年ぶりの日本シリーズ進出を果たした。

 よって、今回の日本シリーズはオリックスと阪神の顔合わせとなり、1964年の阪神と南海(現ソフトバンク)以来、59年ぶり2回目の「関西ダービー」が実現した。1950年にプロ野球が現在の2リーグ制で始まって以降、オリックスと阪神が日本シリーズで対戦するのは、オリックスの前身である阪急時代を含め初めてとなる。

 では59年前の世の中は、いったいどんなことが起きていたのか。

 一番の話題は、やはりアジア初の開催となった東京オリンピックだろう。日本は合計29個(金=16個、銀=5個、銅=8個)のメダルを獲得。世界4位のメダル数に達し、開催国として運営能力が世界から高く評価された。また、初の女子団体競技としてバレーボールがこの大会から正式採用され、国内で人気を得た。
 
 オリンピックのため都内の公共交通網が著しく発達したのもこの時期だ。首都高速道路は羽田空港から都心を経て会場や選手村に至る区間が最優先で整備。地下鉄も新規路線の相次ぐ開通で急速に充実していき、空港と浜松町を結ぶ東京モノレールの開業は五輪開会式の23日前。10月1日には、東京~大阪間の東海道新幹線が開通された。
 
 ほかには、1月に日本麦酒が「サッポロビール」に社名を変更。6月には新潟地震が発生(死者26人)し、オリンピックの閉会式翌日に当時の池田勇人首相が退陣を表明。内閣総辞職し、佐藤栄作政権(第一次)が発足した。年末にはソニーが家庭用ビデオテープレコーダーを発売。国外では英国の4人組バンド「ビートルズ」が米国で人気を博した。
 
 スポーツ界では、野球留学で渡米した村上雅則がサンフランシスコ・ジャイアンツの傘下から飛び級でメジャー昇格を果たし、日本人初の大リーガーになった。秋には、巨人の王貞治が年間55本のホームラン記録(当時)を達成。競馬界ではシンザンが戦後初の三冠馬に輝いた。

 当時の「関西ダービー」は1964年10月1日に阪神の本拠地である甲子園球場で開幕し、第7戦までもつれ込む大接戦だった。結果は通算成績を4勝3敗とした南海が逆転で日本一を飾り、MVPには昭和中期の南海エースとして活躍した米国出身の先発右腕ジョー・スタンカが獲得。阪神は第6戦、7戦で痛恨の連敗を喫し涙を飲んだ。

 関西を拠点として戦う両チームの戦い。今年の日本シリーズは10月28日にオリックスの本拠地・京セラドーム大阪で開幕する。はたして、2度目の関西ダービーの勝者はどちらに軍配が上がるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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