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プロ野球

【日本シリーズ第1戦】オリックス山本由伸が自己ワーストタイ7失点と大舞台でまさかのKO――「大事な試合なのでこの負けは大きい」との反省の弁に込められた誓い

THE DIGEST編集部

2023.10.29

中嶋監督(一番右)がマウンドに赴き、山本(右から2番目)の降板を告げる。大エースにあるまじき光景だった。写真:野口航志

中嶋監督(一番右)がマウンドに赴き、山本(右から2番目)の降板を告げる。大エースにあるまじき光景だった。写真:野口航志

 まさかのKO劇だった。オリックスのエース山本由伸が28日、阪神との日本シリーズ初戦に先発し、5回途中で被安打10、自己ワーストタイとなる7失点で失意のうちにマウンドを降りた。「大事な初戦のマウンドを任せていただいた中で、役割を果たせなかったことが悔しいです」とは降板後の弁。CSファイナルステージ初戦での前回登板(7回5失点)に続く2試合連続の乱調は、チームにとっても計算外の出来事だ。

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 この日は自己最速タイ159キロの力強いストレートに、カーブやフォークといった変化球で緩急自在な投球を序盤から繰り広げていた。だが、5回先頭の佐藤輝明にセンター前に運ばれると、続くノイジーの打席の初球で佐藤が盗塁を決め、ライトフライで三塁まで進む。ここで渡邉諒にタイムリーを打たれ、さらに木浪聖也も連打を重ねると、最後は近本光司と中野拓夢の連続タイムリーがトドメになった。この回一気に4失点、6回も失点を重ねて2死二、三塁になった場面で中嶋聡監督が自らマウンドに行って降板を告げた。
 
 試合後、中嶋監督は「カーブが入らなかったかな。(それで)苦しくなったのかなと思う。(佐藤の盗塁は)そういう隙もあったということかもしれないですし。打たれることもある」とエースを庇っていたが、山本は「立ち上がりはいい調子で入れたんですけど、途中失点をしてしまったので、こんな大事な試合なので、この負けは大きい」とあくまで反省の弁を述べていた。

 チームが4連敗しなければ、次回登板は第6戦が濃厚。「日本一になるのがチームの目標なんで、もうそこに向かって。もう1試合あるかもしれないし、ないかもしれないですけど、しっかり準備していきたい」と語った山本は、またも逃した日本シリーズ初勝利、そして日本一に向けて全力を尽くしていくと誓う。山本は今オフのメジャー挑戦が有力視されているだけに、今年最後のマウンドは笑顔で降りてもらいたい。

取材・文⚫︎THE DIGEST編集部

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