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元DeNA倉本寿彦が9年ぶりの古巣で好守に躍動!「全国で勝つための行動をしてほしい」NPB時代の経験から若いチームに伝えたいこと【日本新薬】

THE DIGEST編集部

2023.11.11

9年ぶりに古巣に復帰し、全国の舞台で躍動した倉本。若い選手たちにも刺激を与えている。写真:萩原孝弘

☆プロと変わらぬ闘志

「勝ちに貢献できなかったなという部分はすごく残念です」

 DeNAから戦力外通告を受け、9年ぶりに古巣・日本製薬に復帰した倉本寿彦が、社会人野球日本選手権1回戦で散り、唇を噛んだ。
 
 2番・セカンドでスタメンに名を連ね、初回からセンターへ抜けそうな当たりを好捕し、ジャンピングスローで刺すなど躍動。同点で迎えた3回にはピッチャー前にセーフティーバントで一塁にヘッドスライディングで内野安打をもぎ取るなど、プロ時代と変わらぬ闘志剥き出しのプレーでチームを鼓舞し続けた。

 しかし結果は信越硬式野球クラブに2-5と敗戦。若い選手が中心のチームは、相手の勢いに飲まれてしまった。

 その中でも倉本はゲームの流れを的確に読み込み「こういうところに来て、みんな慣れないと大振りになるし、チームのことも考えられない」とチームメイトの硬さを感じ取った32歳は「自分がヒットを打つより、ああいう形でも出塁できる。チームとして勝つためにどうすべきかというものを僕は選択しただけ」という姿勢をセーフティーバントからのヘッドスライディングという形で体現。「もちろんああいうところに立ったら、自分がヒーローになりたいとか自分がホームラン打ちたいとかはあると思いますけれども、それ以上に社会人野球は勝ちにいくことが一番大事」と勝利至上主義を貫き、ナインに喝を入れた。

☆古巣チームへの想い

 それは古巣に復帰し「僕が前に在籍したときとは全く別チームなんですが、僕自身はなにも壁もなく迎え入れてもらったので、すごいやりやすかった」とスムーズにチームに溶けませてくれた回りへの感謝を胸に「僕自身帰ってきて、経験も姿勢もですし、今何をすべきかの選択肢として、選手一人ひとりにプラスになればと思いこの一年間やってきた」とチームの中心者としての役割もしっかりと担った。

 チームメイトも「一番先に来て、一番後に帰る」とその練習熱心さに感化され「プレーでも練習でも、プロの引き出しの多さを教えて頂きました」と感謝。松村聡監督も「一年間よくチームを引っ張って行ってくれた。よくやってくれたと思います」と労うなど、その存在感は際立っていたと敬意を払っていた。
 
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NPBへの復帰を目指しながら、チームリーダーとしても戦い続けた一年間