現地11月15日、ブレイク・スネル(パドレス)が、2023年のナショナル・リーグのサイ・ヤング賞に選出された。BBWAA(全米野球記者協会)から4年ぶりに投票を任命された私を含む記者たちの投票内容も同時に公開されており、誰が誰に投票したのかは一目瞭然となっている。
大谷翔平はフィリーズでプレーするべきだ!――ブライス・ハーパーとフィラデルフィアの幸福な関係を見て思うこと<SLUGGER>
念のため書いておくと、BBWAAに所属する記者の中からナ・リーグ全15本拠地から2名ずつが選出され、計30名が投票者となる。それぞれが思う候補者に1位から5位まで順番を決め、1位に7ポイントが与えられる。以下、2位4ポイント、3位3ポイント、4位2ポイント、5位1ポイントと格付けされ、合計点が最も高い投手がサイ・ヤング賞に選出される。もちろん、ア・リーグも同じだ。
例年通り、投票の締め切りはプレーオフ開幕まで。当然、候補者のプレーオフでの成績は考慮されない。私の場合、正式に投票を依頼されたのが9月5日で、投票したのが10月2日だった。つまり、シーズン終盤のおよそ1ヵ月を選考に費やしたことになる。
前回(2019年)、前々回(18年)の投票時は、いずれもジェイコブ・デグロム(当時メッツ)が圧倒的だった(投票では両方とも1位票30票中29票を獲得した)ため、1位を誰にするのかより、上位5人の選出と3位以下の順番=格付けに苦労した。今回は実質的にブレイク・スネル(パドレス)とローガン・ウェブ(ジャイアンツ)の一騎打ちだったが、やはり前回、前々回と同様に上位5人の選出と彼らの格付けが難しかった。
以下は私の投票内容だ。
1 ブレイク・スネル(パドレス)
2 ローガン・ウェブ(ジャイアンツ)
3 ザック・ウィーラー(フィリーズ)
4 ザック・ギャレン(ダイヤモンドバックス)
5 ジャスティン・スティール(カブス)
他にも、スペンサー・ストライダー(ブレーブス)、コービン・バーンズ(ブルワーズ)、メリル・ケリー(ダイヤモンドバックス)、千賀滉大(メッツ)を有力候補と考え、9人の有力候補から上記の5人に絞ったわけだが、日本プロ野球で重要視されている「投手三冠=最多勝・最優秀防御率・最多奪三振」のうち、最多勝と最多奪三振の二冠を獲得したストライダーが上位5人に入っていないことに疑問を覚える人もいるのではないかと思う。
その疑問に答えるのは簡単だ。
勝利数も奪三振数も個人的な選考基準には入っていたものの、過去のサイ・ヤング賞投票ではあまり重要視されてこなかったからである。
まず、18年にデグロムがわずか10勝、翌19年も11勝でサイ・ヤング賞を準満票で獲得していることからも分かるように、MLBにおいて投手の勝利数は重要な位置を占めてはいない。実際、最近は20勝投手でもサイ・ヤング賞投票で上位5人にすら入らないことも多い。21年に20勝したフリオ・ウリアス(ドジャース)は7位、翌22年に21勝を挙げたカイル・ライト(ブレーブス)も10位とかなり低い順位だった。
メジャーリーグ通の人にとっては、「何を今さら」という話だろうが、その理由は、勝ち星というのは先発投手一人の力だけで稼げるものではないからだ。強力打線と安定した救援投手陣を擁するチームの投手は、そうではないチームの投手に比べると勝ち星が増えて当然だ。
大谷翔平はフィリーズでプレーするべきだ!――ブライス・ハーパーとフィラデルフィアの幸福な関係を見て思うこと<SLUGGER>
念のため書いておくと、BBWAAに所属する記者の中からナ・リーグ全15本拠地から2名ずつが選出され、計30名が投票者となる。それぞれが思う候補者に1位から5位まで順番を決め、1位に7ポイントが与えられる。以下、2位4ポイント、3位3ポイント、4位2ポイント、5位1ポイントと格付けされ、合計点が最も高い投手がサイ・ヤング賞に選出される。もちろん、ア・リーグも同じだ。
例年通り、投票の締め切りはプレーオフ開幕まで。当然、候補者のプレーオフでの成績は考慮されない。私の場合、正式に投票を依頼されたのが9月5日で、投票したのが10月2日だった。つまり、シーズン終盤のおよそ1ヵ月を選考に費やしたことになる。
前回(2019年)、前々回(18年)の投票時は、いずれもジェイコブ・デグロム(当時メッツ)が圧倒的だった(投票では両方とも1位票30票中29票を獲得した)ため、1位を誰にするのかより、上位5人の選出と3位以下の順番=格付けに苦労した。今回は実質的にブレイク・スネル(パドレス)とローガン・ウェブ(ジャイアンツ)の一騎打ちだったが、やはり前回、前々回と同様に上位5人の選出と彼らの格付けが難しかった。
以下は私の投票内容だ。
1 ブレイク・スネル(パドレス)
2 ローガン・ウェブ(ジャイアンツ)
3 ザック・ウィーラー(フィリーズ)
4 ザック・ギャレン(ダイヤモンドバックス)
5 ジャスティン・スティール(カブス)
他にも、スペンサー・ストライダー(ブレーブス)、コービン・バーンズ(ブルワーズ)、メリル・ケリー(ダイヤモンドバックス)、千賀滉大(メッツ)を有力候補と考え、9人の有力候補から上記の5人に絞ったわけだが、日本プロ野球で重要視されている「投手三冠=最多勝・最優秀防御率・最多奪三振」のうち、最多勝と最多奪三振の二冠を獲得したストライダーが上位5人に入っていないことに疑問を覚える人もいるのではないかと思う。
その疑問に答えるのは簡単だ。
勝利数も奪三振数も個人的な選考基準には入っていたものの、過去のサイ・ヤング賞投票ではあまり重要視されてこなかったからである。
まず、18年にデグロムがわずか10勝、翌19年も11勝でサイ・ヤング賞を準満票で獲得していることからも分かるように、MLBにおいて投手の勝利数は重要な位置を占めてはいない。実際、最近は20勝投手でもサイ・ヤング賞投票で上位5人にすら入らないことも多い。21年に20勝したフリオ・ウリアス(ドジャース)は7位、翌22年に21勝を挙げたカイル・ライト(ブレーブス)も10位とかなり低い順位だった。
メジャーリーグ通の人にとっては、「何を今さら」という話だろうが、その理由は、勝ち星というのは先発投手一人の力だけで稼げるものではないからだ。強力打線と安定した救援投手陣を擁するチームの投手は、そうではないチームの投手に比べると勝ち星が増えて当然だ。
関連記事
- ドジャースGMがFA選手の獲得に自信「5~7年先も説得力のあるチーム」大谷翔平の噂は「高速道路ですぐだとか、同じ南カリフォルニアだからとか、いい加減な話」
- 大谷翔平がFAでなければ山本由伸が最大の目玉!米記者がFA投手をランク付け「ヤマモトの数字は他の追随を許さない」今永、前田、上沢、松井の名前も
- 【大谷移籍候補球団紹介:レッドソックス】かつてベーブ・ルースが二刀流で活躍。21世紀以降の世界一4度はMLB最多<SLUGGER>
- 【大谷移籍候補球団紹介:ドジャース】高校時代から大谷を追う大本命はここ11年で地区V10度の“西の名門”<SLUGGER>
- 【大谷移籍候補球団紹介:カブス】元“愛すべき負け犬”は大物監督招聘に次いで大谷獲得で真の強豪への脱皮を図る<SLUGGER>