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元巨人のガルシアは今やMLB屈指のスラッガーに成長。守護神としてヤクルト日本一に貢献したマクガフは...【MLB“元助っ人”たちの2023通信簿】<SLUGGER>

出野哲也

2023.12.29

ガルシア(左上)はレンジャーズの世界一に大きく貢献。広島では「ブレイシア」だったブレイジャー(左下)や、マーティン(右上)、マクガフ(右下)はそれぞれリリーフで奮闘した。(C)Getty Images

 今季もMLBでは、数多くの日本帰りの選手たちがプレーした。NPB時代と遜色ない活躍を見せた選手もいれば、無名だった男が意外なブレイクを果たした例もある。そんな"元助っ人"たちの2023年を総括しよう。
※SLUGGER12月号増刊『メジャーリーガー555人の通信簿』より加筆・修正

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▼アドリス・ガルシア(レンジャーズ)
通信簿:よくできました
 巨人では2016年に4試合出ただけで、"元助っ人"の印象はまったくないはず。今や「大谷翔平の本塁打王を脅かしそうになった男」とのイメージに塗り替えられただろう。4月22日のA's戦は藤浪晋太郎からの本塁打に始まり、死球を挟んで3打数連発。球宴HRダービーにも出場し、39本塁打と108打点はいずれもリーグ2位。さらにプレーオフでもリーグ優勝決定シリーズでMVPを受賞するなど快打を連発し、レンジャーズ初の世界一に大きく貢献した。

▼クリス・マーティン(レッドソックス)
通信簿:よくできました
 今季は大谷翔平(エンジェルス)を含め元日本ハムのメジャーリーガーが7人(全員投手)いて、2016~17年に在籍していたマーティンもその一人。カッターはスタットキャスト指標の「Run Value」ではMLB 5位の+11と球界屈指の決め球として機能し、防御率1.05は50投球回以上の両リーグ357人中ベストと、37歳にして自己最高のシーズンを送った。

▼ライアン・ブレイジャー(ドジャース)
通信簿:よくできました
 18年に広島からメジャーに戻って以来ずっとレッドソックスに所属していたが、今季は防御率7.29と不調で5月下旬に解雇。だが、ドジャースと契約すると、新たに採り入れたカッターが冴えただけでなく、他の球種まで良くなり7月5日から12試合連続無失点。8月8日から閉幕までの20試合も自責点0(2失点)、移籍後は39試合で防御率0.70だった。
 
▼マイケル・トンキン(ブレーブス)
通信簿:よくできました
 18年に1年だけ日本ハムに在籍。帰国後は独立リーグなどで投げ、今季6年ぶりにメジャー復帰。強豪ブレーブスのブルペンで貴重な働きを演じ「彼がいなかったらどうなっていたかわからない」とブライアン・スニッカー監督も絶賛した。45登板中24試合は2イニング以上のロングリリーフで、6月15日のロッキーズ戦も3.1回を投げてメジャー初セーブを挙げた。

▼ジョーイ・メネセス(ナショナルズ)
通信簿:まずまずです

 昨季後半戦に30歳でデビューして意外な猛打を披露。WBCメキシコ代表で2ホーマーを放ち今季も打線の中軸を任されて168安打、36二塁打、89打点はいずれもチーム最多、得点圏打率.363はリーグ5位と勝負強さを発揮した。2019年に在籍したオリックスではドーピング違反で解雇されるなど散々だったが、着実にメジャーで居場所を確保しつつある。

▼ピアース・ジョンソン(ブレーブス)
通信簿:まずまずです

 ナックルカーブを武器に阪神ファンから"PJ"と親しまれた右腕は、ロッキーズで13セーブを挙げた一方、防御率は6.00。打者天国との相性も最悪だった。だが、7月下旬のブレーブス移籍後は元々多かったカーブの割合をさらに増やして23.2回で2失点と別人のような投球。「ここに来るまで、自分がゴロ系だとは気づかなかった」と新境地も開拓した。
 
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マクガフは8年ぶりのメジャー復帰で奮闘