まさに“鬼に金棒”といったところだろうか。３月31日（現地）、エリー・デラクルーズ（レッズ）が本拠地でのレンジャーズ戦で２本塁打を含む４安打、キャリアハイの７打点と大暴れした。メジャー２年目の昨季、25本塁打＆ナショナル・リーグ最多の67盗塁を記録した若きスーパースターの爆発をアシストしたのは、今話題沸騰中の「魚雷バット」だった。

「魚雷バット」とは、芯付近が太くふくらみ、まるでボウリングピンのような形状をしている改造バット。真っ芯で捉える範囲が広がることで長打が増える効果があるとされる。先週末、この「魚雷バット」を使ったヤンキースの選手たちが本塁打を連発したことで一躍、大きな話題となっている。

　デラクルーズはこの日の打撃練習で初めて「魚雷バット」を使用。さっそく実戦でも試すと、いきなりの大爆発につながった。「いい感触かどうか確かめてみたかった。実際、すごくいい感じだったよ」とはデラクルーズ。

　特に７回に放った２本目の一発は打球初速110.2マイル（約177.3キロ）、飛距離436フィート（約132.8メートル）の豪快弾。打球はあっという間にグレートアメリカン・ボールパックのバックスクリーン上部に飛び込んだ。 　レッズではこれまで、昨季までヤンキースに所属していた捕手のホゼ・トレビーニョだけが「魚雷バット」を使った経験があったそうだが、デラクルーズの爆発がチーム内でも新たなブームを巻き起こすかもしれない。

　もっとも、テリー・フランコーナ監督は「バットというよりも選手の力が大きい」と、類稀な身体能力を誇るデラクルーズを称えた。この日は、二遊間コンビを組む同じく若手のマット・マクレーンもシーズン第１号アーチを含む２安打３打点の活躍でレンジャーズに14対３と圧勝。若手の躍進で上位浮上を目指すチームにとって、まさに理想的な一日だった。

構成●SLUGGER編集部

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