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選手たちがドジャーブルーに抱く強烈なプライドと自負。采配だけでは見えないロバーツ監督の最大の強みとは? ベテラン番記者が見た“最強軍団の真実”<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2025.05.30

昨季は大型補強が実を結び、待望の世界一となったドジャース。「ワールドシリーズ制覇以外は負け」の常勝軍団の内情とは? (C)Getty Images

 2024年の大谷翔平(ドジャース)の活躍ぶりを克明に記し、好評を博している『SHO-TIME 3.0 大谷翔平 新天地でつかんだワールドシリーズ初制覇』(徳間書店刊)。同書の著者で長年、ドジャースのビートライターを務めるビル・プランケット(『オレンジカウンティ・レジスター』紙)がドジャースの"強さの秘密"について語ってくれた。

【画像】プランケット氏が筆を取った『SHO-TIME 3.0 』好評発売中!

――ドジャースでプレーすることに対して、選手たちはどんな意識を抱いていると思いますか?

「間違いなく選手の意識が変わることはあると思いますね。ドジャー・スタジアムには毎試合5万人が集まる。彼らファンの期待値は非常に高く、今のドジャースはワールドシリーズ優勝以外はすべて失敗と見なされます。そういう厳しい環境でプレーすることで、責任感や意識が高まることはあると思います。

 さらに言えば、たとえばマーリンズにとっても、1年でも最も観客が入るのはドジャース戦です。アウェーですらドジャースを見にファンが集まってくることで、ますます責任感が高まる。そのことはドジャースに長年所属しているクレイトン・カーショウは事あるごとに口にしていますし、マックス・マンシーも似たようなことを言っています。

 ドジャースでは『They're Not Like Us』(あいつらは我々とは違う)という歌が非常に流行っている。それだけ特別意識が選手たちに根付いているということです」
 
――ムーキー・ベッツやフレディ・フリーマンのように、他球団ですでにスーパースターだった選手のマインドはどのように変わっていますか?

「2人に関しては、すでに他球団でMVPも受賞した選手です。なので、すでに個人記録や賞にこだわるという考え方は超越している。彼らがなぜドジャースに来たかと言えば、やはりワールドシリーズで勝ちたいからです。その点に集中するという点において、チームに多大なプラスの影響をもたらしていると思います。

 ドジャースでは"チームカルチャー"という言葉がよく使われます。何よりもまず勝つこと、それが最優先であり、個人成績は二の次、三の次だという意味です。チームとして勝ちさえすれば、個人としても楽しめる。そのようなマインドがドジャースでは共有されているのです」