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プロ野球

DeNA打線を牽引する”ハマのスピードスター”。神里和毅が掲げる「本当のレギュラー」の条件

小中翔太

2020.02.10

神里(写真)に期待を寄せる坪井打撃コーチは、「追い込まれるまではドンドンいっていいけど、追い込まれてからはどれだけ嫌らしいバッテイングをしてくれるかが課題」と語る。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

神里(写真)に期待を寄せる坪井打撃コーチは、「追い込まれるまではドンドンいっていいけど、追い込まれてからはどれだけ嫌らしいバッテイングをしてくれるかが課題」と語る。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 今季初実戦となる8日の紅白戦で、DeNAのスピードスター・神里和毅が1番として起用された。4度打席に立ち、ストライクゾーンに来た球は全てスイングした。

「初めての実戦だったので、徐々に慣れて実戦感覚を戻していければいいかなと思ってそうしました。感覚がまだなので、多少ボールでも振ってどのぐらいなのかがわかればいい」

 浅いカウントから果敢にバットを振る姿勢はラミレス監督好み。第2打席は初球を叩いてセカンドへの内野安打、真芯で捉えた当たりではなかったが俊足を生かし、送球よりも早く1塁ベースを駆け抜けた。
 
 さらに、2点を追う6回の攻撃では、足で積極的な仕掛けを見せた。先頭打者として四球で出塁すると、次打者の初球にスタートを切ったのである。

「盗塁の練習もしています。試合で走らないとわからないので、初球からいこうと考えてました」

 得点圏に進むと2つの内野ゴロで生還。中盤は互いに無得点で固まりかけていた試合を動かす活躍を見せた。
 
 神里に期待を寄せる坪井打撃コーチは、ステップアップのための次なる課題をこう指摘する。

「神里の1番起用は監督の理想。足も使えるしね。去年は三振が多かったんで、今年は追い込まれるまではドンドンいっていいけど、追い込まれてからはどれだけ嫌らしいバッテイングをしてくれるかが課題になってくると思います」

 昨季の打率.279は、宮崎の.284に次ぐチーム2位。ここにしぶとさが加われば理想的な切り込み隊長になる。

 神里は、レギュラー獲りは当然として、さらなる目標があると熱く語る。

「やっぱり、フルイニング出場するのが本当のレギュラーだと思うので、そこをやっていきたいなと思います。今シーズンは個人としてもチームとしても成績を残せるようにしたいです」

 若手の多いDeNA打線は爆発力を秘める。「若いっていうのは勢いがつきやすいし、落ちた時からの跳ね返す力もあると思うし楽しみ」と坪井打撃コーチはいう。そのイケイケムードを作るには先頭打者の出塁が欠かせない。

 故郷、沖縄でバットを振り込む“ハマのスピードスター”が、DeNA打線を牽引する。

取材・文●小中翔太

【著者プロフィール】
こなか・しょうた/1988年1月19日生まれ。京都府宮津市出身。大学野球連盟で学生委員を務め裏方の道へ。関西を中心に活動しウェブ媒体や雑誌に寄稿する。

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