投手陣の再建を目指してキャンプインしたヤクルトは、2月19日の楽天との練習試合で2桁与四球&2桁失点の大敗を喫した。シーズンに不安を残す敗戦となったが、そんな中、一筋の光明も差し込んでいた。
荒れた試合展開の中、ルーキーの大西広樹がマウンドに上がると、試合の空気が一変した。テンポ良く二死を奪い、3人目の打者には追い込んでからの変化球を2塁打とされてしまったものの、得点圏に走者を背負っても落ち着いて後続を断ち、無失点でマウンドを降りる好投を見せた。
それまでの試合展開は一方的なものだったから雰囲気にのまれてもおかしくなかったが、大西は相手に向いてる流れをせき止めたのだった。
奪った3つのアウトは打ち損じてもらったのではなく、打ち取ったものばかり。1回1安打無失点のスタッツだけを見ると特筆するほどのことではないのだが、6回で8失点を喫していたゲームの流れ中、よく立て直したものである。
試合展開を読み切って流れを生む力。これは大西にとっての大きな武器になるだろう。キャンプを終えた時点での起用法は先発かリリーフかまだ決まっていないようだが、もしリリーフとなればブルペンの便利屋として何度もマウンドに上がることになるかもしれない。
ここで取り上げたプレーは豪腕豪打に比べれば地味であることは否めない。それでもこの先、石川駿の捕球技術が、森の走塁センスが、大西の安定感がチームに勝利をもたらす日がきっと来るだろう。
取材・文●小中翔太
【著者プロフィール】
こなか・しょうた/1988年1月19日生まれ。京都府宮津市出身。大学野球連盟で学生委員を務め裏方の道へ。関西を中心に活動しウェブ媒体や雑誌に寄稿する。
【沖縄キャンプPHOTO】ヤクルトスワローズ|ファンから拍手が沸き起こる好プレーの連続!ヤクルトが充実した練習を実施!
荒れた試合展開の中、ルーキーの大西広樹がマウンドに上がると、試合の空気が一変した。テンポ良く二死を奪い、3人目の打者には追い込んでからの変化球を2塁打とされてしまったものの、得点圏に走者を背負っても落ち着いて後続を断ち、無失点でマウンドを降りる好投を見せた。
それまでの試合展開は一方的なものだったから雰囲気にのまれてもおかしくなかったが、大西は相手に向いてる流れをせき止めたのだった。
奪った3つのアウトは打ち損じてもらったのではなく、打ち取ったものばかり。1回1安打無失点のスタッツだけを見ると特筆するほどのことではないのだが、6回で8失点を喫していたゲームの流れ中、よく立て直したものである。
試合展開を読み切って流れを生む力。これは大西にとっての大きな武器になるだろう。キャンプを終えた時点での起用法は先発かリリーフかまだ決まっていないようだが、もしリリーフとなればブルペンの便利屋として何度もマウンドに上がることになるかもしれない。
ここで取り上げたプレーは豪腕豪打に比べれば地味であることは否めない。それでもこの先、石川駿の捕球技術が、森の走塁センスが、大西の安定感がチームに勝利をもたらす日がきっと来るだろう。
取材・文●小中翔太
【著者プロフィール】
こなか・しょうた/1988年1月19日生まれ。京都府宮津市出身。大学野球連盟で学生委員を務め裏方の道へ。関西を中心に活動しウェブ媒体や雑誌に寄稿する。
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