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【今日は何の日】日本に、世界に衝撃が走ったイチロー引退。“伝説”の引退会見をもう一度~後編~

2020.03.21

恩師の故・仰木彬監督に対する思いや、菊池雄星や大谷翔平ら後輩たちへのエールを語った。(C)Getty Images

恩師の故・仰木彬監督に対する思いや、菊池雄星や大谷翔平ら後輩たちへのエールを語った。(C)Getty Images

―― これまでイチロー選手は数多くの決断と戦ってきたと思います。00年のポスティングでのメジャー移籍、06年のWBC参加、07年のマリナーズとの契約延長、12年のトレードもそうかもしれないですけど、その中で一番考え抜いて決断したものは何だったんでしょうか?

「これ、順番つけられないですね。それぞれが一番だと思います。うん。ただまぁ、アメリカでプレーするために、当時、今とは違う形のポスティング・システムだったんですけど。ま、自分の思いだけでは当然それはかなわないので。当然、球団からの了承がないといけなかった。じゃあその時に球団にいる誰かを説得しないといけないというか。その時に一番に浮かんだのが、まぁ仰木監督ですね。で、その何年か前から『アメリカでプレーしたい』という思いは伝えていたこともあったんですけど。仰木監督だったら、おいしいご飯でお酒飲ませたら、『飲ませたら』ってこれはあえて言ってますけど、うまくいくんじゃないかと思ってたらまんまとうまくいって。これがなかったらなんにも始まらなかったので。口説く相手に仰木監督を選んだのは、大きかったなと思いますね。でも、やっぱり洒落た人だったなぁと思いますね。だから、仰木監督から学んだものは計り知れないと思います」
 
―― イチロー選手が現役時代、一番我慢したものは何だったんでしょうか。

「難しい質問だなぁ。僕、我慢できない人なんですよ。我慢が苦手で、楽なこと、楽なことを重ねてるっていう感じなんですね。自分ができること、やりたいことを重ねているので。我慢の感覚がないですけど。だからとにかく身体を動かしたくてしょうがないので。身体を動かすことを我慢するっていうことはたくさんありました。それ以外はなるべくストレスがないように考えて行動してきたつもりなので。今、聞かれたような趣旨の我慢は、思い当たらないですね。おかしなこと言ってます、僕?」

―― 今年、菊池投手がマリナーズに入って、去年はエンジェルスに大谷翔平選手が入りました。イチロー選手が後輩たちに託したいものは?

「まぁ、雄星のデビューの日に僕は引退を迎えた、というのは『何かいいなぁ』というふうに思っていて。もう『ちゃんとやれよ』っていう思いですね。短い時間でしたけれども、凄くいい子で。やっぱりね、いろんな選手を見てきたんですけど、左ピッチャーの先発って変わってる子が多いですよ、本当に。『天才肌が多い』という言い方もできるんですかね。ま、アメリカでもまぁまぁ多いです。だから、こんなにいい子いるのかなっていう感じですよ。

 翔平はもう怪我治して。アメリカの選手にサイズ的にも劣らない。で、あのサイズであの機敏な動きができるっていうのは、いないですからね。いやもう、世界一の選手にならなきゃいけないですよ。うん」
 
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