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【今日は何の日】日本に、世界に衝撃が走ったイチロー引退。“伝説”の引退会見をもう一度~後編~

2020.03.21

引退会見が終わり、深々と頭を下げたイチロー。こういう姿も絵になるのはさすがだ。(C)Getty Images

引退会見が終わり、深々と頭を下げたイチロー。こういう姿も絵になるのはさすがだ。(C)Getty Images

―― イチローさん本人としては、今も大谷投手と対戦したかったという思いはありますでしょうか。

「先ほどもお伝えしましたけど、世界一の選手にならなきゃいけない選手ですよ。そう考えています。翔平との対戦、残念ですけど。僕はできれば、僕はピッチャーで、翔平バッターがやりたかったです。そこは誤解なきようにお願いします」

―― 今後、大谷選手はどのようなメジャーリーガーになっていくと思いますか?

「なっていくかどうか。そこは占い師に聞いてもらわないと分からないけどねぇ。まあでも、投げることも打つこともやるのであれば、僕はワンシーズンごとにピッチャー、次のシーズンは打者として、それでサイ・ヤングとホームラン王を獲ったら。いや、そんなこと考えることすらできないですよ。でも、翔平はその想像をさせるじゃないですか、人に。この時点で明らかに違う選手であると思うんですけど。その二刀流は面白いなと思うんですよね。なんか納得いってない感じの表情ですけど。僕はピッチャーとして20勝するシーズンがあって、その翌年には50本打ってMVP獲ったら、これバケモンですよね。でも、それは想像できなくないですからね。そんなふうに思っています」

――「僕の夢は一流のプロ野球選手になることです」という小学生時代の卒業文集が有名ですが、それを書いた当時の自分にどんな言葉をかけたいですか?

「いや、『お前、契約金1億円ももらえないよ』って。ですね。いや~、『夢は大きく』とは言いますけどねぇ。なかなか難しいですよ。『ドライチの1億』って掲げてましたけど。その全然、遠く及ばなかったですから。いやあ? ある意味では挫折ですよね、それは。うん。こんな終わり方でいいのかな。なんか、キュッとしたいよね最後は。
 
―― 何度か「自分は孤独を感じながらプレーをしている」ということを仰ってましたけども、その孤独感はずっと感じながらプレーしていたんでしょうか?

「現在、それはまったくないです。今日の段階で、それはもうまったくないです。それとは少し違うかもしれないですけど、アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になったこと。アメリカでは僕は外国人ですから。外国人になったことで、人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり。今までなかった自分が現れたんですよね。

 この体験っていうのは、本を読んだり情報を得ることはできたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。孤独を感じて苦しんだこと、多々ありました。ありましたけど、その体験は、未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと、今は思います。

 だから、つらいこと、しんどいことから逃げたいと思うのは、まぁ当然のことなんですけど。でもエネルギーのある元気な時に、それに立ち向かっていく。そのことは凄く、人として重要なことなんではないかなというふうに感じています。締まったねぇ、最後。いや~、長い時間、ありがとうございました。眠いでしょう、皆さんも。ねぇ。じゃあ、そろそろ帰りますか。ね。ありがとうございました。皆さんもお疲れさまでした」

構成●SLUGGER編集部
 
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