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【2010年代シーズン別プレイバック:前編】ジャイアンツ黄金時代の幕開け、カブレラとトラウトのMVP争い、そしてジーターが引退した2010年代前半を振り返る

城ノ井道人

2020.04.07

12年に三冠王を達成し、MVPに選ばれたカブレラ。実に45年ぶりの快挙だった。(C)Getty Images

12年に三冠王を達成し、MVPに選ばれたカブレラ。実に45年ぶりの快挙だった。(C)Getty Images

▼2012年
【ワールドチャンピオン】
サンフランシスコ・ジャイアンツ(2年ぶり7回目)

【主な出来事】
▶ワイルドカードが2球団ずつに拡張
▶ダルビッシュ有がテキサス・レンジャーズ入団(1月)
▶4年ぶりの日本開幕戦が開催(3月)
▶イチローがニューヨーク・ヤンキースへ移籍(7月)
▶ミゲル・カブレラ(タイガース)が45年ぶり三冠王でMVP、トラウト(エンジェルス)が新人王受賞

 超有望株として期待を集めていたマイク・トラウト(エンジェルス)、ブライス・ハーパー(ナショナルズ)の2人が新人王を獲得。ハーパーは野手史上最年少で球宴に出場し、トラウトはMVP投票でも2位となり、「史上最高のルーキー」と騒がれた。そのトラウトを抑えてMVPに輝いたのは、45年ぶりの三冠王を獲得したミゲル・カブレラ(タイガース)だったが、新型指標WARの認知度が徐々に広まる中、トラウトとどちらがMVPにふさわしいのか激しい論争が巻き起こった。

 ペナントレースでは、下馬評が低かったオリオールズ、アスレティックスが躍進した一方、フェンウェイ・パーク開場100周年を迎えたレッドソックスは20年ぶりの地区最下位に沈み、ボビー・バレンタイン監督はわずか1年で解雇された。地域名を「フロリダ」から「マイアミ」に改称し、新球場完成に合わせて大補強を行ったマーリンズも地区最下位と期待を裏切った。

 日本人選手関連でも大きなニュースがあった。史上最高額のポスティング料5170万ドル+6年5600万ドルでレンジャーズ入りしたダルビッシュ有は1年目から16勝。7月23日には、イチローがマリナーズからヤンキースへトレードで移籍。朝のワイドショーが速報として取り上げるほど衝撃は大きかった。
 
▼2013年
【ワールドチャンピオン】
ボストン・レッドソックス(6年ぶり8回目)

【主な出来事】
▶第3回WBCでドミニカ共和国が優勝(3月)
▶バイオジェネシス・スキャンダルで13選手が出場停止(8月)
▶ピッツバーグ・パイレーツが21年ぶりに勝ち越し(9月)
▶マリアーノ・リベラ(ヤンキース)が現役引退(9月)
▶ボストン・レッドソックスが世界一(10月)

 1月のマイアミ地元紙によるスクープを発端に、禁止薬物を入手した大物選手の実名が次々に明るみになる「バイオジェネシス・スキャンダル」が巻き起こった。ライアン・ブラウン(ブルワーズ)が65試合、アレックス・ロドリゲスが211試合の出場停止処分を受けるなど球界に激震が走った。

 シーズンの主役はレッドソックスだった。4月に北米プロスポーツ史上最長記録を更新していた本拠地完売記録が820試合でストップ。その数日後にボストンマラソンで爆弾テロが起きた中、下馬評を覆す快進撃で前年最下位からの地区優勝。そのままワールドチャンピオンに上り詰め、人々に勇気を与えた。一方、ライバルのヤンキースでは現役引退を表明していた〝史上最強クローザー〞マリアーノ・リベラが球宴MVP、カムバック賞を受賞して有終の美を迎えた。

 キューバ勢の台頭も目立った。6月にデビューしたヤシエル・プイーグ(ドジャース)はワイルドなプレーで旋風を起こし、20歳のホゼ・フェルナンデス(マリナーズ)は新人王&サイ・ヤング賞投票3位の活躍。オフにはホゼ・アブレイユが6年6800万ドルでホワイトソックス、アレックス・ゲレーロが7年3200万ドルでドジャース入りと亡命組の大型契約が相次いだ。
 

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