楽天に関しては、則本昂大と岸孝之の二枚看板が強力です。そして今年は、松井裕樹が先発ローテーション入りを目指しています。これを先発の厚みが増したと見るか、それとも抑えに不安と見るか。僕は前者です。個人的に、楽天はチーム全体の層が改善しているように思います。若手も台頭していますから、プラスも多そうです。とはいえ、ベースとなる選手層ではまだまだソフトバンクには及ばないでしょう。
日本ハムは、投手うんぬんを抜きに層が薄い印象です。3月の時も「戦力的には5位前後」としました。日本ハムは例年、僕の予想を良くも悪くも裏切ってくるのですが、今年のような特殊なシーズンでは、ダイレクトに戦力が影響すると考えました。
日程の要素を考えれば、西武は開幕から本拠地15連戦と一見、好材料ですよね。確かにスタートダッシュはできそうですが、逆に大事な中盤戦以降は、敵地で戦うことが増えるとも言えるわけですから。そして、しばらくは無観客でプレーすることになるわけです。試合をするだけでいえば、ファンの有無はさほど影響はないでしょう。ただ、お客さんがいると気持ちが昂ぶるのは事実です。力以上のパフォーマンス、見えない力というのは、個人的にはあると思っているので、最初に無観客でホームゲームを消化するチームにとって、どう影響するのかが正直、見えません。
オリックスは、本当に選手個々は素晴らしいんですけど、チームとしてはなかなか……。ジョーンズもまだ本調子とは言えませんが、打線の弱いオリックスのキーマンになることは間違いないです。ただ、新外国人選手というのは、本当に分かりません。オープン戦で調子が良くても、シーズンが始まるとまったく、というパターンは何度も目にしていますからね。
自分が監督だとしたら、「良さそうな新外国人を獲得してくれたからOK、ルーキーも良い感じでOK、よし今年はいけそうだ!」とは思えません(笑)。最初に言った通り、こうした要素は計算が立たないわけですから、こうした部分に頼っているようでは本当に強いチームとは言えないと思います。
いずれにせよ、どの球団にとっても、今年の最大の目標は無事にシーズンを終えることにつきるでしょう。新型コロナウイルスの影響で過密日程を強いられる今季は、選手たちにとってあらゆる面で未知な世界です。調整の難しさもあり、例年以上に怪我人が出る可能性だってあります。実際、先に開幕している韓国プロ野球では肉離れが多発しているとの報道を見ました。急にギアを上げるのは、身体に想像以上の負担がかかってしまうという証左ですね。
ですから、評論家うんぬんは別として、全球団が大きな故障者を出さず、そして新型コロナに感染することなくシーズンを終えることができれば、順位は関係なく「成功」と言えると想っています。
【著者プロフィール】
さいとう・かずみ/1977年11月30日、京都府京都市出身。1995年ドラフト1位で福岡ダイエー(現ソフトバンク)に指名されてプロ入り。2003年にパ・リーグ18年ぶりとなる20勝の大台をクリアし、最多勝・最優秀防御率・最高勝率のタイトルを獲得して沢村賞に選ばれた。06年にはプロ野球史上初の開幕15連勝を達成するなど、史上7人目の投手五冠を達成して自身2度目の沢村賞を受賞。その後は故障もあって13年限りで現役を引退し、現在は評論家・解説者として活躍。
日本ハムは、投手うんぬんを抜きに層が薄い印象です。3月の時も「戦力的には5位前後」としました。日本ハムは例年、僕の予想を良くも悪くも裏切ってくるのですが、今年のような特殊なシーズンでは、ダイレクトに戦力が影響すると考えました。
日程の要素を考えれば、西武は開幕から本拠地15連戦と一見、好材料ですよね。確かにスタートダッシュはできそうですが、逆に大事な中盤戦以降は、敵地で戦うことが増えるとも言えるわけですから。そして、しばらくは無観客でプレーすることになるわけです。試合をするだけでいえば、ファンの有無はさほど影響はないでしょう。ただ、お客さんがいると気持ちが昂ぶるのは事実です。力以上のパフォーマンス、見えない力というのは、個人的にはあると思っているので、最初に無観客でホームゲームを消化するチームにとって、どう影響するのかが正直、見えません。
オリックスは、本当に選手個々は素晴らしいんですけど、チームとしてはなかなか……。ジョーンズもまだ本調子とは言えませんが、打線の弱いオリックスのキーマンになることは間違いないです。ただ、新外国人選手というのは、本当に分かりません。オープン戦で調子が良くても、シーズンが始まるとまったく、というパターンは何度も目にしていますからね。
自分が監督だとしたら、「良さそうな新外国人を獲得してくれたからOK、ルーキーも良い感じでOK、よし今年はいけそうだ!」とは思えません(笑)。最初に言った通り、こうした要素は計算が立たないわけですから、こうした部分に頼っているようでは本当に強いチームとは言えないと思います。
いずれにせよ、どの球団にとっても、今年の最大の目標は無事にシーズンを終えることにつきるでしょう。新型コロナウイルスの影響で過密日程を強いられる今季は、選手たちにとってあらゆる面で未知な世界です。調整の難しさもあり、例年以上に怪我人が出る可能性だってあります。実際、先に開幕している韓国プロ野球では肉離れが多発しているとの報道を見ました。急にギアを上げるのは、身体に想像以上の負担がかかってしまうという証左ですね。
ですから、評論家うんぬんは別として、全球団が大きな故障者を出さず、そして新型コロナに感染することなくシーズンを終えることができれば、順位は関係なく「成功」と言えると想っています。
【著者プロフィール】
さいとう・かずみ/1977年11月30日、京都府京都市出身。1995年ドラフト1位で福岡ダイエー(現ソフトバンク)に指名されてプロ入り。2003年にパ・リーグ18年ぶりとなる20勝の大台をクリアし、最多勝・最優秀防御率・最高勝率のタイトルを獲得して沢村賞に選ばれた。06年にはプロ野球史上初の開幕15連勝を達成するなど、史上7人目の投手五冠を達成して自身2度目の沢村賞を受賞。その後は故障もあって13年限りで現役を引退し、現在は評論家・解説者として活躍。