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高校野球

【甲子園交流大会注目「野手」ランキング】履正社・小深田は長打と確実性を兼備、智弁和歌山・細川は屈指の安打製造機

西尾典文

2020.08.10

▼4位 井上朋也(花咲徳栄)/三塁手
181㎝85㎏ 右投右打

 5年連続でプロ野球選手を輩出している花咲徳栄だが、今年はこの井上がいることで6年連続の可能性は極めて高いだろう。右のスラッガータイプでは今大会を代表する存在であり、先日行われた浦和学院との練習試合では高校通算50号となるホームランも放っている。下級生の頃と比べてもスイングに柔らかさが出てフォロースルーも大きくなり、すっかり長距離打者らしくなってきた。先輩の野村佑希(日本ハム)と比べても、インパクトの強さや打球の迫力は見劣りしないだけのものがある。強肩も魅力の外野手だったが、この夏はサードで出場予定。長打力を備えた右打者が欲しい球団にとっては非常に魅力的な選手と言えるだろう。
タイプ診断:#右の大砲 #強肩

▼3位 来田涼斗(明石商)/外野手
178㎝78㎏ 右投左打

 1年夏から3季連続でトップバッターとして甲子園に出場。昨年春の選抜では智弁和歌山戦で先頭打者ホームランとサヨナラホームラン、夏の履正社戦でも先頭打者ホームランを放つなど大舞台で印象に残る結果を残し続けているのは見事という他ない。昨年秋は厳しいマークもあって苦しんだが、それでも公式戦で4割を超える打率を残している。冬から春にかけてさらに体つきが一回り大きくなり、兵庫の独自大会でも特大の一発を放つなどパワーアップした姿を見せた。再び大舞台でどんな活躍を見せてくれるのか注目だ。
タイプ診断:#スター性 #強打の外野手
 
▼2位 細川凌平(智弁和歌山)/遊撃手
174㎝75㎏ 右投左打

 1年秋から不動のセンターとして活躍している高校球界を代表するヒットメーカー。どんなコースにスムーズに振り出せるバットコントロールは出色で、広角に鋭い当たりを放つ。体は大きくないが昨年夏の甲子園では明徳義塾戦でチームを救う逆転3ランを放つなど、パンチ力も申し分ない。外野手としても抜群の守備範囲の広さと強肩で目立つ存在だったが、高校からのプロ入りを目指して昨年秋の公式戦終了後には中学時代に守っていたショートに挑戦している。打力とスピードに関しては申し分ないだけに、ショートとしてどんなプレーを見せるかに注目している球団は多いだろう。
タイプ診断:#安打製造機 #三拍子

▼1位 小深田大地(履正社)/三塁手
177㎝86㎏ 右投左打

 野手としての総合力では今大会ナンバーワンの左の強打者。昨年夏の甲子園では3番打者としてチームの優勝に大きく貢献したが、新チームとなった秋、そして最終学年となったこの夏とその打撃はさらに凄みを増している。下半身の強い安定したスイングで低めの変化球や緩急に惑わされることがなく、また速いストレートにも強い。ヒットゾーンが広く、長打力と確実性を兼ね備えたバッティングはとても高校生とは思えない。昨年秋も公式戦11試合で5割を超える打率をマークしたが、20安打のうち約半数の9安打が長打だった。守備も高レベルで、打てるサードが欲しい球団には垂涎の存在と言えるだろう。
タイプ診断:#中軸候補 #長距離砲

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる。ドラフト、アマチュア野球情報サイト「プロアマ野球研究所(PABBlab)」を2019年8月にリリースして多くの選手やデータを発信している。

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