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プロ野球

コロナ禍で2か月半の練習自粛も…逆風に立ち向かう琉球ブルーオーシャンズの現在地

岩国誠

2020.10.11

コロナ期間のこの7か月はトータル2か月半ほど、チーム練習ができない期間があったという。写真:岩国誠

コロナ期間のこの7か月はトータル2か月半ほど、チーム練習ができない期間があったという。写真:岩国誠

 2月のキャンプではメニューをこなすのもやっとの選手も多かった。しかし、7か月ぶりに見た彼らは、表情にも余裕があり、顔つきは一様に精悍で、引き締まった面持ちになっていた。体力強化や技術の向上。やっていることはその繰り返しかもしれないが、ひと夏を超えて、自分の中での確かな手応えと、精神面での成長が彼らを少し大人にしたのかもしれない。

「いい練習をすれば上手くなる。それを実感できているんじゃないかな」

 穏やかな表情で選手たちに視線を送っているのは、チームを預かる清水監督。しかし、ここ至るまでの道のりは決して穏やかなものではなかった。

 2月29日に無観客ながら巨人3軍とのオープニングゲームを開催。1-0と接戦で勝利し、新たな挑戦への船出に大きな弾みとなったはずだった。
 
 しかし、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、緊急事態宣言が発令。多くのプロスポーツチームが活動自粛を発表する中、スタートしたばかりの新球団も活動自粛を余儀なくされた。4月6日から、当初は2週間ほどと設定されていた活動自粛期間は、全国、そして沖縄県下の状況を考慮し、最終的には6月2日まで延びた。その後、沖縄県独自の緊急事態宣言発令を受け、8月にも約3週間の活動自粛。この7か月の間にトータル2か月半ほど、チーム練習ができない期間があった。

 若い選手たちは勝崎コーチの元、春季キャンプでプロレベルの練習に耐えうる体作りを行ないながら、その体を正しく使うための動きを繰り返すことによって、体に覚えさせてきた。

 NPBでも十分通用する選手となるための基盤づくり。それらを次のステップに進め、対外試合などを増やしていこうとしていた矢先での活動自粛。選手育成のプランは大きく変更を余儀なくされた。

 あらゆるプロスポーツの再開目処も立たない中、人の移動も制限され、何もできずに日にちばかりが過ぎていく。目指す場所へたどり着くための手段と方法が霞んでいく中、チームとしては進むことも戻ることもできない状況となった。
 

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