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プロ野球

コロナ禍で2か月半の練習自粛も…逆風に立ち向かう琉球ブルーオーシャンズの現在地

岩国誠

2020.10.11

「指導は難しい」と語っていた寺原コーチ(右)も汗を流していた。写真:岩国誠

「指導は難しい」と語っていた寺原コーチ(右)も汗を流していた。写真:岩国誠

「ここ数週間はいろんなスカウトの方にもきていただいています。見てもらえないのは辛いことなので、なんとか見てもらえる環境を作ろうと」(清水監督)

 その甲斐もあって、10月上旬の段階で、既に複数球団が実際に視察に訪れ、選手たちの動きをチェックしていた。取材に訪れた日にも、ある球団のスカウトが小林太志球団代表にいろいろと質問している姿があった。

「誰か一人でも指名を受けられたら、球団のひとつの成果にもなるし、選手みんなの刺激にもなる。全員にチャンスがあるとは思っていますが、獲る側がどれだけ魅力を感じてくれるのか。今は10月26日のドラフトが一番の楽しみですね」
 
 新型コロナの影響を多大に受けた新球団の1年目は、このドラフトで一つの区切りを迎えることとなる。

 しかし、この航海はそこが終着の港ではない。

 球団は5日に来季の活動計画を発表。今季は新型コロナウイルスの影響で県内のみ約30試合しか行えなかった試合数を、東日本や西日本へ遠征し、BCリーグや四国アイランドリーグ、新たにスタートすることが発表されている九州独立リーグ(仮)との交流試合を行うことや、今季2月のようにNPB球団の2軍・3軍や、海外のチームと沖縄県内での練習試合など、100試合以上行う意向を明らかにした。

 また、チームの底上げと、増加する試合数を戦っていくため、選手をさらに増やしていく。まずは11月6日に今年もトライアウトを開催。練習生を含めた選手獲得を目指していくことも改めて発表された。

 自粛によって、航海図の書き換えを余儀なくされてしまった琉球ブルーオーシャンズ。
「NPB参入」と言う大陸は、少し遠くに離れてしまったかもしれない。しかし、彼らは掲げた帆を下ろすことなく、今後も未開の大海原を進み続けていく。

取材・文●岩国誠(フリーライター)
【著者プロフィール】
いわくに・まこと/1973年生まれ。プロ野球のニュース番組制作に携わるTV映像ディレクター。一時は球団公式SNS用動画制作やパ・リーグTVでの制作・配信を担当。その縁からフリーライターとして、webメディアでのプロ野球記事の執筆を始める。また、舞台俳優としての経験を生かして、野球イベントなどの運営や進行役など、幅広い活動を行っている。

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