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ドジャースで再起を図る筒香嘉智が見本にするべき苦労人2人の「シンデレラ・ストーリー」<SLUGGER>

藤原彬

2021.05.23

 アスレティックスを解雇された後、打撃投手を務めて練習相手となった父親は、自信を取り戻したことが何より重要だったと振り返っている。MLB.comの記事によると、元々、選球眼には定評のあったマンシーだが、以前はそれを意識するあまり打席で受け身になってしまっていた。ドジャース入団後も「スウィング自体は特に変わっていない」とのことだが、「メンタル面でもっと積極的になった。以前は打つべきボールを打てていなかったけど、しっかり打てるようになった」という。

 筒香がレイズを戦力外となった時、「もうメジャーでは通用しない」「日本に帰ってくるべき」という意見が飛び交った。だが、筒香もまだ29歳。少年時代から目標にしていた夢をあきらめるには早すぎる。もちろん、今後メジャーで成功できるという保証はどこにもないが、同じことはドジャース入団当時のターナーやマンシーにも言えたはずだ。

 2人のノウハウが直接、筒香にも直接はまるかどうかは分からないが、少なくともターナーの「変化を恐れない姿勢」、マンシーの「挫折を経験しても諦めないメンタリティ」は参考になるはずだ。
 
 18年にMLB.comに掲載された記事で、マンシーはアスレティックスをクビになった後の心境についてこう語っている。「家にいると、自分を変えなければいけないことに気付くんだ。だって、それまでやってきたことが成功していないわけだから」

 ドジャースが筒香獲得のために費やした負担はメジャー最低年俸の日割分のみ。故障者が復帰するまでにしっかり戦力になれると証明できなければ、チームは躊躇なく戦力外に踏み切れる。新天地でも厳しい状況に変わりはない筒香だが、どん底から這い上がって一流選手としての地位を築いた2人から何かを学べるはずだ。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

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