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プロ野球

データが示唆する巨人の“投壊”危機――リリーフ陣が抱える2つの重大な問題とは?<SLUGGER>

巨人ファンによるデータ至上主義論

2021.05.28

 もう一つの問題は、原辰徳監督のマシンガン継投だ。現在、巨人の中継ぎ投手陣の1イニング未満の登板数は、リーグ最多の64。リーグ最少が広島の17で、その差は3倍以上である。

 また、5月11日から24日までの2週間で、5試合以上登板したリリーフ投手が5人。これもリーグ最多の数字だ。デラロサ不在による特別措置の側面もあったかもしれないが、それにしても歪な起用法である。

 原監督の継投策も、理解できないわけではない。一人ひとりの力が乏しいからこそ、1イニングを数人で賄うことが最善策と考えているのだろう。しかし、このような継投を続ければ、過度な負担は避けられない。今の巨人にとって、リリーフ陣は“希少品”である。層が薄いからこそ、できるだけ大事に中継ぎを使って離脱者を減らすのは、シーズンを戦い抜く上では重要となる。
 
 しかし、完全に怪我を避けることはできない。離脱者が出たとしても、穴埋めできる投手がいないとなれば、やはりトレードを敢行するほかないだろう。15登板以上で投球回以上の三振を奪っているのは、ともに左の中川皓太と大江竜聖だけなので、求めるべきは森原康平(楽天)や椎野新(ソフトバンク)、石崎剛(ロッテ)といった奪三振能力の高い右のパワーピッチャーとなる。

 獲得できれば継投の幅は大きく広がり、各投手の負担も大きく軽減される。おそらくかなり痛みの伴うトレードになるが、リーグ3連覇を狙う上では避けては通れない道になるだろう。

文●巨人ファンによるデータ至上主義論

【著者プロフィール】
関西出身。父親の影響で6歳から野球を見始め、タフィ・ローズのホームランに魅了されて巨人ファンとなる。現在はnoteやツイッターでインフォグラフィックを駆使して巨人のデータを分かりやすく公開して好評を博している。ツイッターIDは「@beautifulsaturd」。
 

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