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MLB

【杉浦大介のNYレポート】“大谷旋風”がヤンキー・スタジアムを席巻した3日間。ブーイングも敬意の証<SLUGGER>

杉浦大介

2021.07.02

「ブロードウェイばりのステージに立つチャンスを得て、そこでいきなりホームランを打ってみせた。もう能力を証明してきた選手だから、ニューヨークでの活躍が重要かは何とも言えない。ただ、スーパースターがブロードウェイでいいプレーをすることが大事なのは事実だ」

 29日の試合後、YESネットワークの名物アナウンサー、マイケル・ケイが語ってくれた言葉は本質を衝いている。よく言われることだが、ニューヨークのような大都市でのアウェー選手へのブーイングはリスペクトの印でもある。

 28、29日の2試合で力を誇示したことで、大谷はニューヨーカーからも認められたと言ってもいいだろう。少しずつ飛び交うようになったブーイングは、大谷がMLBの新たな呼び物として、ヤンキースの好敵手として、ニューヨークでも評価された何よりの証だったのだろう。 

 悪天候のため中止なった最終戦の振り替えゲームは、8月16日に組み込まれることがすでに発表されている。

 今回の3連戦でさらに名を上げた大谷。オールスターのファン投票でも見事ア・リーグDH部門で選出が決まった。7月12日のホームラン競争、13日のオールスター・ゲーム本番でも、大谷は話題の中心であり続けるのだろう。

 だとすれば、約1ヵ月半後、ヤンキー・スタジアムに戻ってくる頃に、さらに評価を高めていても不思議はない。1日限りのブロードウェイ再演で、“日本のベーブ・ルース”がニューヨーカー からどれだけ盛大なブーイングを浴びるか、今から楽しみだ。

文●杉浦大介

【著者プロフィール】
すぎうら・だいすけ/ニューヨーク在住のスポーツライター。MLB、NBA、ボクシングを中心に取材・執筆活動を行う。著書に『イチローがいた幸せ』(悟空出版 )など。ツイッターIDは@daisukesugiura。
 
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