環境によってタイトル獲得が分かれた例を紹介しよう。柳田悠岐(ソフトバンク)はこの10年間におけるプロ野球界最高の打者と言っていいだろう。2021年までの通算打率/出塁率/長打率は.319/.421/.554。しかし、これほどの打者であるにもかかわらず、100打点をクリアしたのは一度だけで、打点王を獲得したこともない。
一方、中田翔(巨人)は日本ハム時代、打点ランキングの常連だった。100打点クリアは5度、打点王も3度獲得している。だが、21年までの通算打率/出塁率/長打率は.248/.319/.440。打者としての総合力では柳田に劣るにもかかわらず、打点に関しては突き放している。
まず、2人の得点圏でのパフォーマンスを見ておこう。14年から21年まで8シーズンの得点圏打率を見ると、柳田は.350、中田は.258。柳田の方が1割近くも高い打率を記録している。つまり、柳田はチャンスで打てなかったから打点が少ないというわけではないことが分かる
次に2人が置かれた環境を見ていこう。この期間、柳田は4122打席、中田は4254打席に立っている。機会としてそれほど大差はない。しかし、これを走者ありの打席に絞ると、柳田は1886打席、中田が2337打席。中田の方が451も多かった。割合で比較すると、柳田の打席に走者がいた割合は45.8%、中田は54.9%と大きな差が開いている。
走者の数も把握してみよう。この期間、柳田の打席で塁にいた走者の数は計2486人、一方の中田は3240人にも及んでいる。中田は柳田に比べ、754人も多くの走者に恵まれていたのだ。先に説明したように、打点が生まれるかどうかは走者の数に大きく左右される。そしてこの環境は、本人の能力によって決まるものではない。よって、打点を打者の能力と結びつけるべきではないのだ。
ちなみに、ソフトバンクはここ数年、上位打線が慢性的な出塁率不足に陥っていた。一方の日本ハムは中田の前に西川遥輝(現楽天)や近藤健介といったリーグ最高レベルの出塁型打者を配置することが多かった。2人の打点、タイトルの差を生んだのはこうした環境の差だ。打点が高い打者が、能力としても最も優れている場合ももちろんある。しかし、そうでない場合も多いことは踏まえておきたい。
【動画】怪物・村上宗隆が確信の一発! 完璧アーチを燕ファンに届ける
一方、中田翔(巨人)は日本ハム時代、打点ランキングの常連だった。100打点クリアは5度、打点王も3度獲得している。だが、21年までの通算打率/出塁率/長打率は.248/.319/.440。打者としての総合力では柳田に劣るにもかかわらず、打点に関しては突き放している。
まず、2人の得点圏でのパフォーマンスを見ておこう。14年から21年まで8シーズンの得点圏打率を見ると、柳田は.350、中田は.258。柳田の方が1割近くも高い打率を記録している。つまり、柳田はチャンスで打てなかったから打点が少ないというわけではないことが分かる
次に2人が置かれた環境を見ていこう。この期間、柳田は4122打席、中田は4254打席に立っている。機会としてそれほど大差はない。しかし、これを走者ありの打席に絞ると、柳田は1886打席、中田が2337打席。中田の方が451も多かった。割合で比較すると、柳田の打席に走者がいた割合は45.8%、中田は54.9%と大きな差が開いている。
走者の数も把握してみよう。この期間、柳田の打席で塁にいた走者の数は計2486人、一方の中田は3240人にも及んでいる。中田は柳田に比べ、754人も多くの走者に恵まれていたのだ。先に説明したように、打点が生まれるかどうかは走者の数に大きく左右される。そしてこの環境は、本人の能力によって決まるものではない。よって、打点を打者の能力と結びつけるべきではないのだ。
ちなみに、ソフトバンクはここ数年、上位打線が慢性的な出塁率不足に陥っていた。一方の日本ハムは中田の前に西川遥輝(現楽天)や近藤健介といったリーグ最高レベルの出塁型打者を配置することが多かった。2人の打点、タイトルの差を生んだのはこうした環境の差だ。打点が高い打者が、能力としても最も優れている場合ももちろんある。しかし、そうでない場合も多いことは踏まえておきたい。
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