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プロ野球

阿部、京田が抜けた中日の二遊間でチャンスをつかむのは誰?ルーキー内野手4人の「プロ1年目の現実的な期待値」<SLUGGER>

西尾典文

2022.12.09

 田中は打球に対する反応と守備範囲の広さも素晴らしく、そのプレースタイルは菊池涼介(広島)を彷彿とさせる。肩の強さが少し物足りないものの、フットワークでカバーできる部分も多いだろう。一番の課題は打撃の力強さになる。バットに当てる技術はあるが、インパクトの強さや打球の速さはまだまだで、プロの投手には苦労することが予想される。1年目は福永や石川昂弥の代走や守備要員としてまずは一軍定着を目指したい。数字的には代走を中心に50~70試合に出場して10~15盗塁というのがベンチマークとなりそうだ。

 最後に5位の浜将乃介(福井ネクサスエレファンツ)だが、高校時代も昨年までの独立リーグ(高知ファイティングドッグス)での3年間も外野手としてプレーしており、ショートで試合に出場し始めたのは今年からということを考えると、1年目から内野で一軍定着というのは考えづらい。日本ハム二軍との交流戦を見た時も、ショートの動きは明らかにまだ慣れておらず、将来性と選択肢の幅をアピールするために守っているように見えた。
 一方で最大の魅力は高い運動能力で、外野から見せる返球の強さと脚力はプロを相手にしても目立つだけのレベルにある。ただ他の3人と比べると現時点の完成度はやはり劣るだけに、内野で勝負するにしても外野で勝負するにしても、まずは二軍で経験を積むところからのスタートになりそうだ。1年目は二軍で出場機会を得て規定打席到達を目指したいところだ

 まとめると、福永は長打力、村松はミート力、田中は走塁と守備、浜は運動能力が持ち味であり、まずはそれをしっかりアピールすることが重要になる。冒頭でも触れたように、彼らにとっては今のチーム状況は大きなチャンスだけに、怪我や体調面には気をつけながらも、キャンプから積極的なプレーを見せて早く一軍の戦力になってくれることを期待したい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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