『巻き返しを狙う男たち』。もう一人は、去年の中日ドラフト1位・ブライト健太。ルーキーながら一軍キャンプ入りを果たした去年をこう振り返った。
「ドラフト1位で入団させてもらったので、すぐに活躍したいっていう気持ちが強かったと思います。テレビで見てきた人たちの中に入って、常に緊張しながらやっていて、慣れないことも多かったですし、練習についていくのに必死でした」
焦り、戸惑いの日々。本来の力を発揮できないまま、1年目キャンプは最終クールで二軍に降格。その後、コンディション不良や怪我もあり、ルーキーイヤーに一軍デビューを飾ることはできなかった。
「ドラフト1位でも、技術は一番持っていないって自覚してやっていたんですが、どうしても『結果が欲しい』と焦ってしまって、それで空回りして打撃も崩し、怪我もしてしまいました。でも、結果は残せなかったんですが、そうした自分の悪い部分に気づくことができた。それはよかったと思います」
無意識のうちに結果を求めすぎ、自分で自分を追い込んでしまった1年目。シーズン終了時には体重も10キロ減っていたという。その反省を活かし、オフシーズンに取り組んだのが『体重増』と『下半身強化』だった。
「トレーニングと食事にはすごく気を使いました。去年のキャンプインでは体重が90キロだったんですが、結構脂肪が多かったんです。今年は体重は同じくらいなんですが、筋肉量を4キロぐらい増やしたという感じです。筋肉が減ってくると、常にエネルギー不足のまま動いているような感じだったので、今年は筋肉量を意識してやっていきたいと思っています」
バッティングにおいても、課題を明確に認識し、改善に取り組んでいる。
「自分の場合、軸足がどうしても決まらずに、上半身だけで打ってしまっていたんです。軸足が安定すれば打率も残ると思うので、そういったことを中心に取り組んでいます。去年はすごいアドバイスを頂いたんですが、自分でそれを消化する力が足りなかった。アドバイスと実際に自分がやっていることのズレが大きかったのですが、今年はいろいろいただくアドバイスを、自分の中でしっかり消化できていると思いますし、そこは変わったかなと思っています」
1年前のキャンプでは、スタンドから見ていても、目一杯な様子が感じ取れた。それが今年は、中村紀洋打撃コーチのアドバイスに笑顔を見せたり、特守では観客の声援に応えるなど、明らかに去年とは違うブライトがグラウンド上にいたのだ。
「ドラフト1位で入団させてもらって、去年は1回も一軍の試合に出ていないので、すごく不甲斐ない気持ちですが、その1年を経験したので、今年は何がなんでも結果を残したいですし、そのために今(二軍キャンプで)やっています。必ず一軍の試合に出て、活躍して、勝利に貢献できるよう、毎日やっていきたいと思います」
去年は共に一軍キャンプスタートだった石川昂とブライト。彼らが二軍からの「昇り竜」となり、チーム上昇のうねりを生み出すことを期待したい。
取材・文●岩国誠
[著者プロフィール]
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。
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「ドラフト1位で入団させてもらったので、すぐに活躍したいっていう気持ちが強かったと思います。テレビで見てきた人たちの中に入って、常に緊張しながらやっていて、慣れないことも多かったですし、練習についていくのに必死でした」
焦り、戸惑いの日々。本来の力を発揮できないまま、1年目キャンプは最終クールで二軍に降格。その後、コンディション不良や怪我もあり、ルーキーイヤーに一軍デビューを飾ることはできなかった。
「ドラフト1位でも、技術は一番持っていないって自覚してやっていたんですが、どうしても『結果が欲しい』と焦ってしまって、それで空回りして打撃も崩し、怪我もしてしまいました。でも、結果は残せなかったんですが、そうした自分の悪い部分に気づくことができた。それはよかったと思います」
無意識のうちに結果を求めすぎ、自分で自分を追い込んでしまった1年目。シーズン終了時には体重も10キロ減っていたという。その反省を活かし、オフシーズンに取り組んだのが『体重増』と『下半身強化』だった。
「トレーニングと食事にはすごく気を使いました。去年のキャンプインでは体重が90キロだったんですが、結構脂肪が多かったんです。今年は体重は同じくらいなんですが、筋肉量を4キロぐらい増やしたという感じです。筋肉が減ってくると、常にエネルギー不足のまま動いているような感じだったので、今年は筋肉量を意識してやっていきたいと思っています」
バッティングにおいても、課題を明確に認識し、改善に取り組んでいる。
「自分の場合、軸足がどうしても決まらずに、上半身だけで打ってしまっていたんです。軸足が安定すれば打率も残ると思うので、そういったことを中心に取り組んでいます。去年はすごいアドバイスを頂いたんですが、自分でそれを消化する力が足りなかった。アドバイスと実際に自分がやっていることのズレが大きかったのですが、今年はいろいろいただくアドバイスを、自分の中でしっかり消化できていると思いますし、そこは変わったかなと思っています」
1年前のキャンプでは、スタンドから見ていても、目一杯な様子が感じ取れた。それが今年は、中村紀洋打撃コーチのアドバイスに笑顔を見せたり、特守では観客の声援に応えるなど、明らかに去年とは違うブライトがグラウンド上にいたのだ。
「ドラフト1位で入団させてもらって、去年は1回も一軍の試合に出ていないので、すごく不甲斐ない気持ちですが、その1年を経験したので、今年は何がなんでも結果を残したいですし、そのために今(二軍キャンプで)やっています。必ず一軍の試合に出て、活躍して、勝利に貢献できるよう、毎日やっていきたいと思います」
去年は共に一軍キャンプスタートだった石川昂とブライト。彼らが二軍からの「昇り竜」となり、チーム上昇のうねりを生み出すことを期待したい。
取材・文●岩国誠
[著者プロフィール]
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。
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