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【WBC】侍ジャパンは丸裸にされている? データ活用で“ジャイアント・キリング”を狙う各国の狙い<SLUGGER>

氏原英明

2023.03.07

 実際、この日の試合で日本は楽勝と思われたオーストラリア相手に苦戦した。2回に先制を許し、6回裏終了時点で1対1の同点。スカウティング・レポートを基に日本の各選手の特徴を炙り出すことで、オーストラリアは格上の日本を相手に互角の戦いを繰り広げたのだった。終盤、一発攻勢で日本が何とか振り切ったが、まさに薄氷の勝利だった。

 ディーブル監督は試合をこう振り返っていたものだ。

「変化球が高めに浮き、それをホームランにされた。ただ、課題はそれだけだ。みんないいピッチングをしたし、日本には休養日があったが、うちは3連戦で使いたい中継ぎを使えなかった事情もあった」
 
 あれから6年が経ち、世界の野球は大きく進化している。ボールの球速から回転数、変化量、打球初速やスウィング軌道などが瞬時にデータとして出てくるようになった。それらのデータを有効活用することで、間違いなく勝利に近づくことができる。格上のチームに対して、どこかに弱点を見出して勝ちたいと考えるなら、当然データの力を借りようとするだろう。
 過去4大会、最低でも準決勝に出場している日本はプールA、プールBの中では最も格上。他の国は日本を倒そうとさまざまな手を尽くしてくるはずだ。選手対選手のぶつかり合いでも、水面下では必ず“アナリティクス”の勝負が繰り広げられている。

“格下”の相手でも決して侮ってはいけない。楽勝が予想されている第1次ラウンドを前に、改めて肝に銘じておきたい。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。

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