●オランダ
戦力評価:C
過去2大会はいずれもベスト4入りしたヨーロッパの雄は、今大会もキュラソー島やアルバ島出身者を中心に代表を構成。何といっても一番の目玉は、オフにパドレスと11年2億8000万ドルの超大型契約を結んだザンダー・ボガーツ。走攻守三拍子そろったスーパースター遊撃手の3度目の代表入りで、打線に確固たる核ができたのは大きい。脇を固める打者も、17年に32本塁打のジョナサン・スコープ(タイガース)や、選球眼とパンチ力を備えたジュリクソン・プロファーらがいて、それなりの攻撃力は確保できそうだ。
一方で前大会の課題だった投手陣は、今大会も泣き所になりそうだ。メジャー通算391セーブのケンリー・ジャンセン(レッドソックス)は1次ラウンド辞退を表明したため、他には昨季メジャーでまともに投げた選手もほとんどいない状況に。国内リーグ組も前回ほどには揃っておらず、弱体投手陣を打線でどれだけカバーできるか大きなポイントになるだろう。
●チャイニーズ・タイペイ
戦力評価:C
WBCには第1回から5大会連続の出場。13年の第3回は1次ラウンドを突破し、2次ラウンドでも日本をあと一歩まで追い詰めた。
今大会は、昨季4球団で計69試合に出場した内野手の張育成(レッドソックス)が唯一のメジャーリーガー。野手陣には呉念庭(西武)、王柏融(日本ハム)らNPB組も加わるが、多くは国内組のメンバーで構成される。投手陣は宋家豪(楽天)、江少慶や胡智為、呂彦青ら米マイナーやNPBを経験している選手が多く、近年は選手層も底上げされている。2大会ぶりの1次ラウンド突破も狙える陣容だ。
●パナマ
戦力評価:C-
WBCには3大会ぶり3度目の出場。メジャー通算68試合で打率.200、OPS.584のジョナサン・アラウーズ(メッツ)が予選で3番を打つなど、打線は全体的に小粒。同じようなユーティリティ型の選手も多い。一方で、昨季35登板のハイメ・バリア(エンジェルス)ら、投手にはメジャーリーガーも多く、まずまずの陣容。投手力中心のオーソドックスなスタイルで大会初勝利を狙う。
構成●SLUGGER編集部
協力●世界の野球(@sekainoyakyu)
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