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侍ジャパン

【WBC展望:プールB】復権を期す韓国が侍ジャパンと一騎打ち。雑草軍団チェコの戦いぶりにも注目<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.03.08

日韓対決は1次ラウンド最大の山場。大谷(左)とエドマン(右上)やキム(右下)といったメジャーリーガーたちの活躍に期待したい。写真:THE DIGEST写真部(大谷)、Getty Images

日韓対決は1次ラウンド最大の山場。大谷(左)とエドマン(右上)やキム(右下)といったメジャーリーガーたちの活躍に期待したい。写真:THE DIGEST写真部(大谷)、Getty Images

 3月8日に開幕する第5回ワールド・ベースボール・クラシック(以下WBC)。全20ヵ国が4つのプールに分かれ、まずは1次ラウンド突破を争う。ここでは、東京ドームで行われるプールB5ヵ国それぞれの戦力を確認しておこう。

●日本
戦力評価:A-

 投打ともに、これまでにないほど強力な陣容。鈴木誠也(カブス)の出場辞退は痛いが、それでもなお「歴代最強」との下馬評は間違いではあるまい。

 打線は、メジャーでも有数のスラッガーとなった大谷翔平(エンジェルス)と、史上最年少三冠王の村上宗隆(ヤクルト)、そして吉田正尚(レッドソックス)が中心になる。栗山監督は他にも、山川穂高(西武)、岡本和真(巨人)、牧秀悟(DeNA)ら強打者タイプを多く招集。日本伝統の“スモールボール”から脱却し、世界のパワー野球への真っ向から対峙しようという意識が見て取れる。ラーズ・ヌートバー(カーディナルス)の招集も、その考えに基づくものだろう。

 実際、1番を任される予定のヌートバーの働きはかなりカギになりそうだ。打率は低いものの選球眼は優秀で、平均打球初速はあのマイク・トラウト(エンジェルス)をも上回るなどパンチ力も備える彼が導火線となり、中軸の大谷、村上で還す得点パターンを確立したい。一方、左打者の偏重や本職のセンター不在、純然たる俊足タイプの選手も周東佑京(ソフトバンク)くらいと、メンバー構成にやや歪みが感じられるのは少々気になるところではある。

 先発投手陣はダルビッシュ有(パドレス)に大谷、山本由伸(オリックス)、佐々木朗希(ロッテ)と新旧の好投手が揃い、アメリカやドミニカ共和国にも負けない布陣。宇田川優希(オリックス)や大勢(中日)、高橋宏斗(中日)など球威のあるパワーピッチャーを多く揃えたのも、「世界」を意識した人選だ。松井裕樹(楽天)が本調子に戻れば、こちらも優勝を狙うに十分な布陣となる。

 プールBの中ではずば抜けた戦力を誇り、1次ラウンドの首位通過はもはや“必須条件”。むしろ、3度目の世界制覇に向けていかに各選手の状態をピークに持っていくかがテーマになるだろう。
 
●韓国
戦力評価:B-

 第1回WBCは準決勝、第2回は決勝まで進出したアジアの雄も、過去2大会は1次ラウンド敗退、東京五輪でも不本意な結果に終わり、今回は再浮上を狙う。

 野手陣の中心はキム・ハソン(パドレス)と韓国系アメリカ人のトミー・エドマン(カーディナルス)の二遊間コンビに注目。エドマンは昨季ゴールドグラブを獲得し、キムも昨季は強豪パドレスで正遊撃手を務め、ダイナミック守備で何度もファンを沸かせた。2人のプレーには、勝敗を超えて注目してほしい。

 また、近い将来のメジャー移籍が噂されるイ・ジョンフ(キウム)のプレーにも注目が集まる。多くのスカウトが熱い視線を送る中、チームを牽引する活躍で自らの評価も上げたい。

 また、これまでの国際大会では課題になっていた先発投手陣にも、代表経験豊富なキム・グァンヒョン(SSG)とヤン・ヒョンジョン(起亜)の元メジャーリーガー2人が復帰。イ・ガンチョル監督は「まずは初戦のオーストラリア戦が大事」と強調するが、3大会ぶりの1次ラウンド突破は有力と言っていいだろう。
 
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