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MLB

なぜ25歳の主力が“戦力外”に? どこよりも分かりやすい「ノンテンダー」解説 

2019.12.04

 実際に調停まで進むケースはそれほど多くないが、この権利を得た選手は決まって年俸が大きく上がる。有名な例では、2017年オフに年俸調停権を取得したクリス・ブライアント(カブス)は前年の105万ドルから1085万ドル、日本円で計算すると、約1億1500万円から11億8500万円(!)へ一気に跳ね上がった。

 逆に言うと、年俸調停権を得ていない選手は基本的に球団の言い値を呑むしかないので、新人王を獲ろうがMVPを獲ろうがあまり年俸は上がらない。実際、先のブライアントは新人王を獲得した翌年の昇給はわずか15万ドル、MVP獲得の次の年も35万ドル程度しか上がらなかった。それが、無冠のシーズンでも調停権を得た途端に10倍も上がったのだ。このように、MLBの年俸上昇モデルは日本とはかなり違う。
 
 MLBの年俸調停制度には、もう一つ大きな特徴がある。それは、球団によって選手の評価がばらつくことがほぼないということだ。先日、祖父江大輔(中日)の年俸が実績に比して低すぎるとして話題になった。是非はともかくとして、確かに日本では似た成績の選手でも球団によって年俸に大きな差が出ることが珍しくない。

 しかしMLBでは、第三者で構成される調停員会が最終的な決着場となっているため、その前段階でもおおよその「目安」を球団も選手も、さらにはファンも共有しているのだ。たとえば「MLBトレード・ルーマーズ」では、年俸調停権を持つ選手全員の来季予想年俸額がずらりとリストアップされている。そして、実際に妥結する額もそこから大きく外れることはほとんどない。
 

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