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MLB

イチロー引退、ナショナルズの初優勝。2019年のメジャーリーグを10大ニュースで振り返る

スラッガー編集部

2019.12.30

4)バーランダー&コール2人の本格派右腕が大活躍

 アストロズが誇る2人の本格派右腕が今シーズン披露した圧倒的な投球は、文字通り歴史的なものだった。ジャスティン・バーランダーはリーグ最多の21勝を挙げ、9月には自身3度目のノーヒッターを達成。一方、ゲリット・コールは防御率と奪三振の二冠に輝き、MLBシーズン記録の奪三振率13.82、史上初の9試合連続2ケタ奪三振と、バーランダーにひけを取らない内容だった。同一チームの2人の投手が揃って300奪三振を記録したのは、2002年のランディ・ジョンソン&カート・シリングに次いで史上2組目。ホームランが飛躍的に増え、オープナーなど細かい継投策が脚光を浴びる時代にあって、2人の大活躍は絶対的なエースの重要性を改めて知らしめる結果になった。

5)スキャッグスがオピオイド中毒死

 大谷翔平が所属するエンジェルスを悲劇が襲った。7月1日、投手陣のリーダーでもあったタイラー・スキャッグスが遠征先のホテルで亡くなっているのが発見されたのだ。享年27歳。悲しみに打ちひしがれたエンジェルスの選手たちだが、ホームでの追悼試合となった12日のマリナーズ戦ではスキャッグスに捧げる継投ノーヒッターを達成、大きな感動を呼んだ。しかしその後、スキャッグスの体内から医療用麻薬オピオイドが検出されたこと、さらにオピオイドを提供していたのがエンジェルスの職員だったことなど、ショッキングな事実が次々に明らかになった。
 
6)史上初めてロンドンで公式戦開催

 昨年、MLBがロンドンでレッドソックス対ヤンキース戦を行うことを発表した時、「野球不毛の地」ヨーロッパでの公式戦開催の成功を危惧する声は少なくなかった。しかし、いざ蓋を開けるとチケットは一瞬で完売。6月29 ~ 30日に行われた2連戦では計12万近くがロンドン・スタジアムに詰めかけ、グッズショップにも長蛇の列ができた。2試合とも乱戦で、決して最高の内容とは言えないものだったが、MLBのヨーロッパ戦略の第一歩としては大成功。来年もロンドンシリーズ開催が決定しており、今後はヨーロッパの他の地域での公式戦も検討されているという。

7)100勝も100敗も4チーム、球団間の格差が拡大

 近年、再建の名目でチームを徹底的に解体、ドラフト上位指名権を得るため半ば意図的に低迷する「タンキング」が流行している。今季はその勢いが加速し、史上初めて4チーム(オリオールズ、タイガース、ロイヤルズ、マーリンズ)が100敗以上を記録。一方、強いチームはますます強くなり、アストロズ、ドジャース、ヤンキース、ツインズが100勝をクリアした。戦力格差の拡大は観客動員にも影響を与え、2015年と比べて総動員数は7%もダウン。FA市場の冷え込みと同様、ここでも「合理化」がMLBの魅力を損なう状況を生んでいる。
 

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