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プロ野球

10歳差の若手捕手の“提言”も受け入れる柔軟性。超大物助っ人バウアーが見せる日本球界の「革命家」になる可能性

萩原孝弘

2023.04.22

二軍戦でもしっかりと結果を残すために準備を重ねたバウアー。その真摯な野球への向き合い方に驚きを集めた。写真:萩原孝弘

二軍戦でもしっかりと結果を残すために準備を重ねたバウアー。その真摯な野球への向き合い方に驚きを集めた。写真:萩原孝弘

 先月24日に行なわれた入団会見でバウアーは「新しい球種のスプリットチェンジアップにも取り組んできた」と、自身のスキャンダルがキッカケで生じた約2年のブランクの間も、ブラッシュアップに励んだと明かしていた。

 もともと2013年からシアトルにあるトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」を利用し、最新技術を駆使して科学的なトレーニングを実践してきたバウアー。「ピッチデザイン(バウアーが提唱する理論)」でボールの回転や、どのような動きをしているのかを数値化して確認し、“ベースボール・サイエンティスト”の第一人者としても知られている。

 2019年にDeNAの練習施設「DOCK OF YOKOSUKA BAYSTARS」を訪れた際も、京山将弥からスプリットの握りを教わり「自分の球種には無いボール。日本人のピッチャー、大谷(翔平)や田中(将大)はいいスプリットを投げる。自分も学んでいいスプリットが投げられれば」と意欲を示していたが、それを着実に己のモノにしてきたようだ。

 デビュー戦では、筆者が確認したものでは2球しか投じなかった。このバウアーの“新変化球”を実際に受けた益子は「フォークに近いのかなと思いました」と表現。さらに「外国人選手はなかなか2ストライク後に付いてくるバッターはいないと思うんですけど、日本人のバッターはなんとか最後まで付いてくるといったバッターが多いので、あのスプリットチェンジも使い所によってはすごく有効な球種なのかなともいます」と証言した。
 
 この益子のコメントからも、バウアーが追い込まれた直後に、コンパクトにボールにコンタクトしてくる日本野球に対する“キラーアイテム”として思考を巡らせ、スプリットチェンジアップを準備していたとも想像できる。

 また、チームメイトとの関係も良好な様子だ。ピッチャー陣とのコミニュケーションは「自分の持っているものを他のピッチャーに伝えているので、いい影響があると思います」と益子は断言する。とりわけ来オフにメジャー挑戦を視野に入れていると囁かれている今永昇太とは「彼の4シームはすごく良い質で、数字の上でもすごくいい。彼から学んで自分の4シームも彼のようにしたい」とバウアー本人が明かしているように、相乗効果への期待も大きい。

 メジャーの屈指のピッチャーとしての実績を持っているにもかかわらず、10も歳下のキャッチャーからの“提言”を快く受け入れ、一部のファンや識者の間では「格下」と見られる日本野球、しかも二軍戦でも決して手を抜かない。さらに試合後に行なわれるグラウンドでのミーティングにもしっかりと参加するバウアー。その一挙手一投足からは超大物助っ人にありがちな驕り高ぶりは微塵も感じない。

 知的好奇心に洞察力、そして向上心。その存在は強力な戦力としてのピースに留まらず、ベイスターズに、いや日本球界全体に影響を及ぼす「革命家」となる可能性を秘めている。

取材・文●萩原孝弘

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