●「粘着物質使用を認めろ!」事件
21年、粘着物質を使用した不正投球の蔓延が明るみとなって球界に激震が走った。だが、バウアーはそれ以前から「粘着物質で回転数が上がる」としばしば指摘しており、18年には「特定のチームにだけMLB機構が粘着物質を許可している」「アストロズの投手は組織ぐるみで粘着物質を使っている」と示唆して物議をかもした。
これだけ読むとスキャンダルを予見していたように見えるが、バウアーは決して不正を糾弾しようしたのではない。彼がこの問題提起を通じて主張したかったことは、「特定のチームにだけ使わせるのは不平等だ。粘着物質を投手全員に解禁しろ!」だった。
●「女子大生ハラスメント」事件
敵と認定したら徹底的にやりこめなければ気が済まないのがバウアーだ。19年1月、バウアーはツイッター上でアストロズの三塁手アレックス・ブレグマンと口論になった。するとアストロズファンの女子大生からのリプライが目に入った。「スポーツ選手の中でバウアーが一番嫌い」。この瞬間、バウアーの攻撃の矛先はブレグマンからこの女子大生に向いた。
80件もリプライを送り付けるわ、彼女の過去のツイートをさかのぼって晒しまくるわと徹底的に攻撃。やり込めたはいいが、女子大生も黙ってはいなかった。全国紙『USA TODAY』に「ハラスメントを受けた」と告発されてしまい、バウアーは一転して謝罪に追い込まれた。
●「センターに“サヨナラ”大暴投」事件
19年7月28日のロイヤルズ戦に先発したバウアーはいつになく調子が悪く、5回途中8失点と大炎上。テリー・フランコーナ監督が投手交代を告げるためにベンチを出ようとしたその時だった。バウアーが突然、バックスクリーンに向かってボールを大遠投したのだ。
あくまで自分の不甲斐ないピッチングに対する怒りの表明であり、フランコーナ監督に食ってかかることもなくバウアーはマウンドを降りたが、「プロのやることじゃない」と猛批判を浴びた。バウアーは3日後にレッズへトレードされ、インディアンスとはこれで”サヨナラ”となってしまった(もっとも、放出の理由は事件とは無関係だが)。
●「ジョー・ケリーを解放しろ」事件
19年オフにアストロズのサイン盗みが明らかになると、バウアーは批判の急先鋒の一人となった(余談だが、サイン盗みをしていたとされる時期には宿敵コールがアストロズに所属していた)。20年8月には、前月末にアストロズ戦でビーンボールを投じた挙句、数々の挑発的行動で出場停止処分になったジョー・ケリー(当時ドジャース)に同調。彼の顔があしらわれ、「ジョー・ケリーを解放せよ」などと書かれたスパイクをわざわざ特注した挙句、それを履いてマウンドに上がろうとした。
さすがにこれにはMLB機構も怒り心頭で「そのスパイクを履いて登板したら退場にするだけでなく、さらなる処分を科す」という通告文書を出す始末。さすがのバウアーもこれには矛を収めたのだった。
構成●SLUGGER編集部
21年、粘着物質を使用した不正投球の蔓延が明るみとなって球界に激震が走った。だが、バウアーはそれ以前から「粘着物質で回転数が上がる」としばしば指摘しており、18年には「特定のチームにだけMLB機構が粘着物質を許可している」「アストロズの投手は組織ぐるみで粘着物質を使っている」と示唆して物議をかもした。
これだけ読むとスキャンダルを予見していたように見えるが、バウアーは決して不正を糾弾しようしたのではない。彼がこの問題提起を通じて主張したかったことは、「特定のチームにだけ使わせるのは不平等だ。粘着物質を投手全員に解禁しろ!」だった。
●「女子大生ハラスメント」事件
敵と認定したら徹底的にやりこめなければ気が済まないのがバウアーだ。19年1月、バウアーはツイッター上でアストロズの三塁手アレックス・ブレグマンと口論になった。するとアストロズファンの女子大生からのリプライが目に入った。「スポーツ選手の中でバウアーが一番嫌い」。この瞬間、バウアーの攻撃の矛先はブレグマンからこの女子大生に向いた。
80件もリプライを送り付けるわ、彼女の過去のツイートをさかのぼって晒しまくるわと徹底的に攻撃。やり込めたはいいが、女子大生も黙ってはいなかった。全国紙『USA TODAY』に「ハラスメントを受けた」と告発されてしまい、バウアーは一転して謝罪に追い込まれた。
●「センターに“サヨナラ”大暴投」事件
19年7月28日のロイヤルズ戦に先発したバウアーはいつになく調子が悪く、5回途中8失点と大炎上。テリー・フランコーナ監督が投手交代を告げるためにベンチを出ようとしたその時だった。バウアーが突然、バックスクリーンに向かってボールを大遠投したのだ。
あくまで自分の不甲斐ないピッチングに対する怒りの表明であり、フランコーナ監督に食ってかかることもなくバウアーはマウンドを降りたが、「プロのやることじゃない」と猛批判を浴びた。バウアーは3日後にレッズへトレードされ、インディアンスとはこれで”サヨナラ”となってしまった(もっとも、放出の理由は事件とは無関係だが)。
●「ジョー・ケリーを解放しろ」事件
19年オフにアストロズのサイン盗みが明らかになると、バウアーは批判の急先鋒の一人となった(余談だが、サイン盗みをしていたとされる時期には宿敵コールがアストロズに所属していた)。20年8月には、前月末にアストロズ戦でビーンボールを投じた挙句、数々の挑発的行動で出場停止処分になったジョー・ケリー(当時ドジャース)に同調。彼の顔があしらわれ、「ジョー・ケリーを解放せよ」などと書かれたスパイクをわざわざ特注した挙句、それを履いてマウンドに上がろうとした。
さすがにこれにはMLB機構も怒り心頭で「そのスパイクを履いて登板したら退場にするだけでなく、さらなる処分を科す」という通告文書を出す始末。さすがのバウアーもこれには矛を収めたのだった。
構成●SLUGGER編集部