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高校野球

「目標は155キロ」投手転向からまだ1年!プロ注目の150キロ右腕は、県立進学校でいかにして育まれたのか?

大友良行

2023.07.03

昨年途中までは捕手を務めていた早坂だが、周囲の支えから投手としての才能を開花させてきた。写真:大友良行

昨年途中までは捕手を務めていた早坂だが、周囲の支えから投手としての才能を開花させてきた。写真:大友良行

「東京・四谷でジムを開いているスポーツトレーナーの北川雄介さん(36歳)とは盟友の間柄なので、すぐに見てもらったら『投手どころかプロだよ。これなら夏までには150は出ますよ。絶対にプロに行く存在だから』と言われました。それ以来早坂を交えて3人で、投手づくりについて、どう持っていくかという話し合いを続けながら今までやってきました」
 
 北川トレーナーの指導法はこうだ。筑波大の体育専門学群で、技術指導、健康管理、けがの予防、リハビリ学などを学んだことを活かして、ラプソードやハイスピードカメラを使って数値化して、利点、欠点などを具体化している。プロ、アマ選手たちからは知る人ぞ知るカリスマ的な存在だ。

 具体的には、どんな練習方法を伝授したのか。

 まず完投はさせない、投げるのは多くても7~8回まで。投球練習は週に2日間だけと少ない。しかも20~30の球数制限付き。雨の日は、7階建て校舎の階段の上り下り各20本と50、80メートル廊下のダッシュ各20本に挑む。

 特にほかにはこれといった練習方法はない。動作改善以外は、オーソドックスなやりかただ。

 このところ早坂の数試合を見続けているヤクルトの丸山泰嗣スカウトは、次のような点を評価している。
「まず身体能力が高いことと、強い球を投げられることに原石としての魅力を感じます。取り組み方もいいですね。相手打者によってボールの握りを変えたり、変化球を増やしたりして投手になろうとしている向上心があります。凄いペースで成長している最中です。伸びしろは充分にあるので、期待値いっぱいというところですかね。課題は今まで9回投げたことがないので、強豪揃いの激戦区千葉でどう戦うかですね。発展途上中の成長段階で迎える夏になることは間違いないでしょう。楽しみです」と言う。

 早坂は、2005年7月26日生まれの松戸市出身。小学1年から髙塚新田ラークスで野球をはじめ、中学は軟式の松戸五中で捕手。幕張総合高には、施設に魅かれて。捕手として試合にも出ていたが2年春から投手不足のため投手にコンバート。当初は制球難で四球の連続。周囲の批判やため息に身を削る思いだったという。

 その後、北川トレの指導で、体の開きを抑え、投球フォームが固まりだすと、大器の片鱗が見えだし投手らしく成長。いまでは150キロを投げる投手として全国区になりつつある。好きな投手は日本ハムの伊藤大海投手。好きな球団は地元のロッテ。

「夏まで時間がありません。左打者対策とインコース攻めに集中した最後の練習に取り組んでいます。最終目標は、夏大会で155キロを出すことです。プロには是非行きたいです」と決意のほどを語る早坂。

 千葉県大会は8日から始まる。

取材・文●大友良行
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