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プロ野球

【DeNA】トレバー・バウアーが闘志をむき出しにする理由。日本野球もサイエンスする男が“勝利至上主義”を貫き通す!

萩原孝弘

2023.07.14

11試合で登板し6勝を挙げるバウアー。防御率は3.67だ。写真:萩原孝弘

11試合で登板し6勝を挙げるバウアー。防御率は3.67だ。写真:萩原孝弘

 もっともバウアーの感情的な行動は、この日に限ったことではない。MLB時代ではボールをバックスクリーンに投げ込んでしまったことはあまりにも有名で、日本でもピンチを脱した際、腹の底から雄叫びを上げることもしばしば。

【動画】満塁のピンチから2者連続三振!思わず吠えるバウアー

 これにも「弱い当たりであったりとか打ち取ったような当たりで塁に出られてしまうときは、本当にすごく悔しい気持ちになるんです。勝負に勝ったのにと、腹が立ったりしてしまいます」と素直に認める。「ただそういった感情になればなるほどスピードが上がり、コントロールも良くなるという自分の特性があるので、逆にそれを利用してやろうという風な考え方をしています」と、自己分析の上、あえて自分を抑えて冷静さを保つ方法をチョイスしていないと明かす。

 実際、吼えまくり2死満塁とピンチが拡大したケースでは猛暑のデーゲームにもかかわらず、この日の103球目にこの日最速の159キロをマーク。続く2球とも158キロと気迫のピッチングでピッチャーゴロに打ち取ってみせたこともあり、前出のエピソードは実証されている。
 
 またバウアー自身のYoutubeでもわかるように、マウンドを降りても日本球界での成功のために努力していることは明らか。三浦監督も「バウアーも日本の野球文化を理解しながら吸収している」と称賛している。

 本人も6月のMVPを受賞した際「キャッチャーの伊藤(光)選手と共通認識を持つことが、一番の要因だったと思います」とし「勝ちというのは野手の皆さんの協力がないと得られないものであり、点が入らなければ勝ち投手にはなれないので、野手の皆さんに感謝したいと思います」とあくまでも謙虚に、冷静にチームメイトに感謝の意を表す。

 すべての行動は来日してから一貫して口にする「チャンピオンシップを掴むため」は、チームスローガンと完全に言動が一致。グラウンド上では熱く、その他では冷静に分析するスマートな右腕は、頂に向けて戦い続ける。

取材・文●萩原孝弘

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