ドラフト・コンバインとはメジャーでも数年前に始まったドラフト前に開催する候補者たちを集めて身体能力の測定や面談などを行なうものだ。日米の双方でのスカウティングは試合でのパフォーマンスを見極めて評価していくが、それだけではなくさまざまな数値を見ることによって、選手の潜在能力を可視化していく。
この入団テストもまさにその要素が組み込まれていた。西武には優秀なスカウトが地方に点在しているが、その眼力とは異なる数値で測れるもので能力を発掘していくというものである。この日の参加者への趣旨説明などを行なったファーム・育成グルーブリーダーの田代裕大氏は「スカウトが試合などでは測ることができない数値を見て才能を発掘できないかと思っています」と語っており、球団が細かなデータ収集へ目線を向けているのが見て取れた。
次の説明を聞くと、確かにスカウトでは測れない才能があるということが理解できる。ファームのヘッドS&Cコーチの坂本忍氏はこう語る。
「数値を測るだけでなくて、どこにリンクしているかは見ていかないといけないんです。例えば、スピードはあるのに敏捷性がよくない選手は、どこをトレーニングで変えてやれば、改善するのか。うちのファームの選手と比較しながら、見ていく感じですね。また、体の大きさもあるので、ワットバイクは最大出力を測りますが、体重割でも比較が必要になります。例えば、1軍の選手では源田や金子、若林の出力は全体で見ればそれほど高くないんですけど、体重の割合で見ていくと、ものすごい高いことがわかる」
一方、参加する選手の意気込みはさまざまだった。
元独立リーグ出身で、今はフリーだという中岡康平選手は立命館大の陸上部で走り方や栄養学を研究。個人の活動を主としてきて、この日のテストに臨んだ。
「まさか一次審査で受かると思っていなかったんですけど、自分、体の勉強とか栄養とか、陸上について勉強めっちゃしていたんでそのことをしっかり伝えたら、多分そこを見てくれたのかなと思います。走り方を研究してきて足に自信があります。一芸やったら負けへんと思ってやってきて、コーチの方からいい走り方をしているねと言ってもらえた。そこは良かったかなと思います」
35名の参加者の多くは独立リーガーだったが、今年は5名の高校生がいたことも今回のテストの特徴だった。昨年は10月に開催したため、高校生は進路が確定しているケースが多かった。今回はターゲット層を広めることにも成功していた。
日大藤沢の田上優弥選手はドラフト候補としても騒がれるが、「夏の大会で自分のいいところを出せなかった。結果を出せなかった後悔もあった」と受験を決意。攻守に潜在能力の高さを発揮した。また、「高いレベルでやってみて自分がどれだけレベルについていけるか知りたかった」と広島の私立・武田高校の梶山暖選手は持っている力を発揮。「身体は自分が一番小さかったし、数値的には(どう評価されるか)分からないですけど、 (プロのレベルに)ついていけるっていう感覚的なものを持てたかなと思いました」と手応えを掴む選手もいた。杓子定規的な計測ではないだけに、選手たちもどう評価されたかは気になったことだろう。
この入団テストもまさにその要素が組み込まれていた。西武には優秀なスカウトが地方に点在しているが、その眼力とは異なる数値で測れるもので能力を発掘していくというものである。この日の参加者への趣旨説明などを行なったファーム・育成グルーブリーダーの田代裕大氏は「スカウトが試合などでは測ることができない数値を見て才能を発掘できないかと思っています」と語っており、球団が細かなデータ収集へ目線を向けているのが見て取れた。
次の説明を聞くと、確かにスカウトでは測れない才能があるということが理解できる。ファームのヘッドS&Cコーチの坂本忍氏はこう語る。
「数値を測るだけでなくて、どこにリンクしているかは見ていかないといけないんです。例えば、スピードはあるのに敏捷性がよくない選手は、どこをトレーニングで変えてやれば、改善するのか。うちのファームの選手と比較しながら、見ていく感じですね。また、体の大きさもあるので、ワットバイクは最大出力を測りますが、体重割でも比較が必要になります。例えば、1軍の選手では源田や金子、若林の出力は全体で見ればそれほど高くないんですけど、体重の割合で見ていくと、ものすごい高いことがわかる」
一方、参加する選手の意気込みはさまざまだった。
元独立リーグ出身で、今はフリーだという中岡康平選手は立命館大の陸上部で走り方や栄養学を研究。個人の活動を主としてきて、この日のテストに臨んだ。
「まさか一次審査で受かると思っていなかったんですけど、自分、体の勉強とか栄養とか、陸上について勉強めっちゃしていたんでそのことをしっかり伝えたら、多分そこを見てくれたのかなと思います。走り方を研究してきて足に自信があります。一芸やったら負けへんと思ってやってきて、コーチの方からいい走り方をしているねと言ってもらえた。そこは良かったかなと思います」
35名の参加者の多くは独立リーガーだったが、今年は5名の高校生がいたことも今回のテストの特徴だった。昨年は10月に開催したため、高校生は進路が確定しているケースが多かった。今回はターゲット層を広めることにも成功していた。
日大藤沢の田上優弥選手はドラフト候補としても騒がれるが、「夏の大会で自分のいいところを出せなかった。結果を出せなかった後悔もあった」と受験を決意。攻守に潜在能力の高さを発揮した。また、「高いレベルでやってみて自分がどれだけレベルについていけるか知りたかった」と広島の私立・武田高校の梶山暖選手は持っている力を発揮。「身体は自分が一番小さかったし、数値的には(どう評価されるか)分からないですけど、 (プロのレベルに)ついていけるっていう感覚的なものを持てたかなと思いました」と手応えを掴む選手もいた。杓子定規的な計測ではないだけに、選手たちもどう評価されたかは気になったことだろう。
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