今回の取材を通しても、出場校の指導者のスタンスは二つに分かれる。「飛ばないから強いスウィングを意識させた」という派と「どういうふうなスウィングが正しいかを考えた」と口にする派だ。半数くらいは前者で、青森山田など数校の指導者はスウィングのあるべきものを探索していた。
愛工大名電の倉野光夫監督もその1人。
「バットも変わってきているので、ボールに対してどういうふうにバットを入れるかは大事かなと思います。スウィングを上げているようにみられますが、フライを打ちに行っているわけではなく、ボールに合わせてのスウィングをしている」
いわば、バットが変わってもこれまでのように「振る量を増やす」「スウィングを強くすること」をテーマにしている指導者は、いまだ過去のバットに縛られているとも言える。なぜなら、それまでのバットは振る力をつけさえすれば、打球が飛んでいったからだ。
「僕らの時代はやばかったですよ。今より軽かったですから。プロに入って、高卒で苦しんでいる選手は金属バットの影響もあると思います」
そう語るのは高校時代に通算83本塁打を放ち、プロでも6度の本塁打王を獲得した西武の中村剛也選手だ。高校時代に竹バットを使用、内からバットを出すことがいいスウィングにつながることを意識して今に繋げているから説得力のある話だ。
これまでのバットは高校球児や指導者に「振りさえすれば飛んでいく」という考えを植え付け、思考停止を生み出していたバットとも言えるのかもしれない。だから、そうした指導者から聞こえてくるのは「飛ばなくなった」であり、「もっといいスウィングをしなければいけない」という倉野監督のような指導者とは乖離してしまうのだろう。
ただ、このバットは、今はまだスタートした段階。センバツ出場校は昨年秋の公式戦が終わってから導入したために、準備期間が少なかった。それでも勝たないといけないプレッシャーがあり、バントやスクイズなどを多用するしかなかったに違いない。
今後はそうした思考停止する指導者が減っていくと断言できないにせよ、指導者や高校球児がよりスウィングについて考えるようになることが求められる。今大会のように投手優位になることもあるだろうが、大会を繰り返しながら打者はさらなる進化を遂げていくに違いない。
愛工大名電の倉野光夫監督もその1人。
「バットも変わってきているので、ボールに対してどういうふうにバットを入れるかは大事かなと思います。スウィングを上げているようにみられますが、フライを打ちに行っているわけではなく、ボールに合わせてのスウィングをしている」
いわば、バットが変わってもこれまでのように「振る量を増やす」「スウィングを強くすること」をテーマにしている指導者は、いまだ過去のバットに縛られているとも言える。なぜなら、それまでのバットは振る力をつけさえすれば、打球が飛んでいったからだ。
「僕らの時代はやばかったですよ。今より軽かったですから。プロに入って、高卒で苦しんでいる選手は金属バットの影響もあると思います」
そう語るのは高校時代に通算83本塁打を放ち、プロでも6度の本塁打王を獲得した西武の中村剛也選手だ。高校時代に竹バットを使用、内からバットを出すことがいいスウィングにつながることを意識して今に繋げているから説得力のある話だ。
これまでのバットは高校球児や指導者に「振りさえすれば飛んでいく」という考えを植え付け、思考停止を生み出していたバットとも言えるのかもしれない。だから、そうした指導者から聞こえてくるのは「飛ばなくなった」であり、「もっといいスウィングをしなければいけない」という倉野監督のような指導者とは乖離してしまうのだろう。
ただ、このバットは、今はまだスタートした段階。センバツ出場校は昨年秋の公式戦が終わってから導入したために、準備期間が少なかった。それでも勝たないといけないプレッシャーがあり、バントやスクイズなどを多用するしかなかったに違いない。
今後はそうした思考停止する指導者が減っていくと断言できないにせよ、指導者や高校球児がよりスウィングについて考えるようになることが求められる。今大会のように投手優位になることもあるだろうが、大会を繰り返しながら打者はさらなる進化を遂げていくに違いない。