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プロ野球

【2020ドラフトの目玉は?|投手】山崎の故障で伊藤が大学生一番人気へ浮上? 社会人は栗林が1位指名有力

2020.04.26

 最後に社会人だが、1位の可能性が高いのは栗林良吏(トヨタ自動車)だ。名城大時代はいわゆる順位縛りもあって指名が見送られたが、社会人でも1年目から公式戦11試合に先発してイニング数を上回る三振を奪い、防御率1.02という圧巻の成績を残している。躍動感のあるフォームから140キロ台後半のストレート、縦に鋭く変化するスライダー、打者の手元で沈むツーシームなど多彩な変化球を操り、制球力も高レベル。即戦力という意味では今年の候補の中ではナンバーワンと言えるだろう。

 ただ、社会人は栗林に続く上位候補の投手がやや手薄な印象。佐々木健(NTT東日本)、藤井聖(JX-ENEOS)のサウスポー2人、高校卒3年目で若さが魅力の本格派右腕、森井絃斗(セガサミー)、小野大夏(Honda)などの名前が挙がるが、上位指名候補と言うには実績が物足りないのが現状である。
 
 大学生8人、高校生4人、社会人5人を紹介したが、例年以上に1位の絞り込みが難しい状況だ。冒頭で中心となると書いた大学生にしても、いわゆる中央球界である東京六大学の早川、木沢、佐藤はリーグ戦での成績が芳しくなく、地方リーグで大舞台での実績があるのは伊藤だけ。高校生の有力候補でも高橋は進学希望とも言われており、明石商から直接プロ入りした選手は過去にいないことから中森が進学となる可能性も考えられる。

 安全策なら大学、社会人での実績抜群の栗林ということになりそうだが、例年より圧倒的に視察数が減る中で各球団がどのような判断を下すかにも注目したい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる。ドラフト、アマチュア野球情報サイト「PABBlab」を今年8月にリリースして多くの選手やデータを発信している。

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