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プロ野球

「反逆者」と呼ばれた男たちが切り拓く日本球界の未来【1】「勘違いから人生は始まるんですよ」菊池雄星の“10年後”の思い

氏原英明

2020.05.22

「ゴールをどこに見据えるかが大事なのかなと思います。例えば、メジャーリーグでプレーしたいだけなら、日本のプロを経験してからでも遅くないと思います。日本はメジャーと異なる野球をしていますけど、レベルの高いことをしています。選手の身体のケアひとつ取っても、アメリカに負けていない。それはメジャー30球団の半数のチームに日本人トレーナーやマッサージセラピストがいることでも証明されているでしょう。むしろ、マイナーにどれだけのトレーナーがいるかを考えれば、日本のプロ野球の方が充実しているところもあります」

「ただ、高卒でアメリカに行きたいと言っている選手のゴールがメジャーで成功することだけではなくて、例えば英語をネイティブで話すくらいになりたい、引退後にアメリカで経営をしたいとか、そういう志ならなるべく早く来た方がいいと思います」
 
 一方で、多くの日本人選手を深く悩ませているのは、メジャー移籍まで多くの時間を要することだ。海外FA権を取得するまでには9年間の一軍登録日数が必要となる。この場合、菅野智之(巨人)や柳田悠岐(ソフトバンク)のように大学からプロ入りした選手は、FA権を取得する頃には選手としての全盛期を過ぎてしまうことになる。FA権取得前にポスティングでのメジャー移籍を容認する球団もあるが、巨人やソフトバンクはこれを認めていない。

 千賀滉大(ソフトバンク)もこの壁にぶつかっている一人だ。もちろん、ソフトバンクの対応はルールに則ったもので、その意味では千賀はFA権取得を待つしかないわけだが、一方で彼はここ5年間で4度の日本一に貢献しているのだ。これだけの実績を積んでもなお、日本でプレーし続けることが彼のキャリアにとってプラスになるとは到底、思えない。

 菊池は「高卒メジャー挑戦の是非」とは別の問題として、こう指摘する。

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