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MLB

【プエルトリコ野球“復権”の理由:後編】“新時代の育成法”で好選手を輩出

中島大輔

2020.07.30

他の中南米諸国と違い、日本と同じように規律を重視するのがプエルトリコ流の育成法だ。(写真)龍フェルケル

他の中南米諸国と違い、日本と同じように規律を重視するのがプエルトリコ流の育成法だ。(写真)龍フェルケル

 90年代後半からメッツなどで5ツール・プレーヤーとして名を馳せたカルロス・ベルトランが自身の名前を冠したアカデミーを設立したのが11年秋。これまで27人がドラフトで指名された。一方、80年代にレンジャーズなどでプレーしたエドウィン・コレアによって02年に創設されたプエルトリコ・ベースボール・アカデミー&ハイスクールはコレアやクリスチャン・バスケス(レッドソックス)らを輩出している。

 いずれも非営利組織でMLBから資金援助を受け、学費は年間6000ドル。前者は半数、後者は8割の生徒が奨学金を受け、将来性が高く、学力的にも一定レベルに達した少年が全土からスカウトされている。

「少年の未来のためにアカデミーは投資している。そうしてプエルトリコに明るい未来が築かれていくんだ」

 マルドナードはそう語ると、二段構えのキャリアパスについて説明した。興味深いことに、両校ともにプロ選手の育成を方針としながら、基本的にカレッジ進学を見据えている。

「卒業後の進路にはプランAとプランBがある。私がフォーカスしているのはプランBでカレッジに送ることだ。野球では怪我でキャリアが終わることもあるからね。プランAで卒業後にプロになれれば素晴らしい。でもプランBも念頭に置いて、うまくバランスを取った方がいい。プランBからAに進むこともできる」
 
■アカデミーの増加で育成環境が劇的に改善

 昨今、厳しい経済状況が続くプエルトリコではより良い生活環境を求めてアメリカ本土に渡る一家が少なくない。リンドーア、バイエズもフロリダ州の高校を経てドラフトで指名された。アメリカに行けば良質な指導と教育を受けるチャンスが高まり、飛躍のきっかけにすることができる。

 対してコレアはプエルトリコで奨学金を受けながら学び、ステップアップを果たした。高校時代はプロ経験のあるコーチから毎日3時間の指導を受けると同時に、英語や学業にも精を出した。15年ほど前から島内にアカデミーができ始め、少年たちの育成環境は劇的に改善されたとマルドナードは語る。

「俺が子供の頃はビジョンなんてなくて、ノックを毎日、何百球受けることが目標だった。でも今はストレッチをしてから練習し、ウェイト・トレーニングもやっている。学業を含め、子供たちは周囲のサポートを受けて計画的に育てられる。高校を卒業してすぐにプロとしてプレーするのは難しい。うまくやっていくには職業倫理と規律が必要だ。だからカレッジに進むのがいい。いい成績を取らなければ野球をする資格を得られないから、規律を身に付けることができる。我々はそんな気風をアカデミーから作ろうとしているんだ」
 

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