専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

イチロー、サバシア、トゥロウィツキ…今季限りで引退した選手&いまなお活躍を続ける大ベテランたちを振り返る

宇根夏樹

2019.12.30

Albert Pujols/アルバート・プーホルス[#5 1B]
 カーディナルス時代(2001 ~ 11年)はコンスタントかつハイレベルな打撃から“ザ・マシーン”とも呼ばれた。この間のワーストは打率が.299(11年)、本塁打が32本(07年)、OPSは.906(11年)。MVPは3度。その後は下降線をたどっているが、昨季は通算3000安打、今季は2000打点と史上初の650本塁打&650二塁打を達成。01年以前にメジャーデビューし、来季もプレーするのは彼しかいない。

Rich Hill/リッチ・ヒル[#44 LHP]
 2015年夏に独立リーグからレッドソックス入りし、4先発で防御率1.55と好投したのがキャリアの再スタートとなった。スピンの効いたカーブを武器に翌年から3年連続2ケタ勝利。今季は左ヒザや左前腕の故障で戦線離脱したものの、13先発で防御率2.45と成績自体は上々だった。地区シリーズ敗退後は打たれたC・カーショウを涙ながらに擁護した。来年3月で40歳だが、現役続行に意欲。

Brian McCann/ブライアン・マキャン[#16 C]○引退
 強打の捕手としてオールスターに7度選出。リーダーシップにも定評があり、6年ぶりに古巣に戻った今季も若手が多いチームをまとめ上げた。地区シリーズでも全5試合で先発マスクをかぶったが、第5戦終了後に引退を表明。各方面から労いの言葉が出たことが彼の人柄を表している。元チームメイトのC・サバシア(ヤンキース)いわく「『ただ投げる人』から『ピッチャー』にしてくれた」。
 
David Freese/デビッド・フリーズ[#25 1B]○引退
 対左要員&チームリーダーとして地区7連覇に大きく貢献。今季は左腕以上に右投手をよく打ち、OPSはメジャー11年目にして初めて1.000を超えた。ポストシーズンでも8打数4安打とよく打ったが、チームが地区シリーズに敗退した後に引退を表明。カーディナルス時代の2011年にリーグ優勝決定シリーズ&ワールドシリーズでMVPに輝いた活躍は今後も長く語り継がれるに違いない。

Robinson Cano/ロビンソン・カノー[#24 2B]
 メジャー1年目の2005年から13年続けて30二塁打以上を放ち、17年終了時点で通算512本。300本塁打にも達し、殿堂に向かってキャリアを積み上げていたが、昨季は5月に薬物陽性反応。オフにマリナーズから放出され、6年ぶりにニューヨークへ戻った今季は、不振と3度の故障者リスト入り。5月には度重なる怠慢プレーで試合から外された。10年2億4000万ドルの契約はあと4年残る。

Felix Hernandez/フェリックス・ヘルナンデス[#34 RHP]
 2005年に19歳でデビューし、09年に最多勝、10年にサイ・ヤング賞を獲得。球界屈指の好投手としてチームを支えたが、ここ数年は下り坂で今季は防御率6点台と苦しい投球が続いた。7年1億1500万ドルの契約は今季限り。現役最終登板となる可能性もある9月26日のA's戦では降板時にホームの観衆から“キング・フェリックス!”の大歓声を浴び、涙を流しながらダグアウトへ下がった。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号