専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

アンフェアなぐらい圧倒的な勢いでMVPレースを独走する大谷翔平。日本人初の本塁打王を獲得すれば満票での選出も<SLUGGER>

ナガオ勝司

2023.06.23

▼打撃
623打数 187安打 打率.301 51本塁打
125打点 23盗塁 OPS1.006

 ちなみに「投手・大谷」は34試合、199回を投げて255三振を奪う換算になるそうで、「51本塁打&255奪三振」なら、MVPレース投票は何の議論も起こらず、満票で大谷に決定するだろう。

 もちろん、出場70試合時点での成績が、そのまま162試合換算の数字になることはない。たとえば、現時点で「打者・大谷」の最高のシーズンだった21年は、出場70試合時点で24本塁打を放ち、年間56本ペースだったのに、最終的には46本に終わった。これは大谷が決して「宇宙人」などではなく、好不調の波がある「野球選手」である証明だ。同時に、本塁打王というタイトルの獲得可能性は、大谷以外の選手の数字によっても大きく左右される。

 過去10年、ア・リーグの本塁打王となった選手でシーズン50本以上を記録したのは昨年のジャッジを含め3度しかない。例年は40本台後半で決着することが多い。
 6月21日現在、24本塁打で「本塁打王」争いのトップに立つ大谷にとって、ライバルはジャッジ(22本)を筆頭に、ルイス・ロバート(ホワイトソックス/19本)、ヨーダン・アルバレス(アストロズ/18本)、ラファエル・デバース(レッドソックス/18本)らだ。ロバートやアルバレスがこれからどういう追い上げを見せるのかは定かではないが、大谷にとっては、自己最多の46本塁打を更新することが大前提であり、その先にどうやらタイトルがありそうだ。

 残るは24本か、それとも26本=50本塁打か? 過去に何度も比較されてきたベーブ・ルースの本当の代名詞である「本塁打王」へのカウントダウンはすでに始まっている――。


文●ナガオ勝司

【著者プロフィール】
シカゴ郊外在住のフリーランスライター。'97年に渡米し、アイオワ州のマイナーリーグ球団で取材活動を始め、ロードアイランド州に転居した'01年からはメジャーリーグが主な取材現場になるも、リトルリーグや女子サッカー、F1GPやフェンシングなど多岐に渡る。'08年より全米野球記者協会会員となり、現在は米野球殿堂の投票資格を有する。日米で職歴多数。私見ツイッター@KATNGO
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号