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プロ野球

【現役ドラフトを考える Vol.1】MLBでは「飼い殺し防止策」が機能。サイ・ヤング賞投手輩出の例も

出野哲也

2019.12.16

 日本では支配下選手登録(各球団70名)されている選手は、一軍公式戦での出場選手登録が自由にできるが、MLBでは40人しか枠がない。これは、MLBでは契約切れの選手が全員自動的にフリー・エージェントとなり、多くの登録枠が空くからでもある。いずれにしてもロースター入りするのは真にチームに必要な選手と、将来有望な若手に限られるので、毎年かなりの数がルール5ドラフトの指名対象になる。

 また、これは案外知られていないが、ルール5ドラフトで指名した選手を、獲得した球団は旧球団へ返却することも可能だ。昨年指名された14人のうち、実に10人が閉幕までに元のチームへ戻され、移籍先の球団でシーズンを通して働いたのは2人だけだった。
 
 その一方で、ルール5ドラフトでチャンスを得て大成した選手もいる。最も知られているのは、2004年と06年にサイ・ヤング賞を獲得したヨハン・サンタナだ。99年にアストロズからマーリンズのルール5ドラフト指名を経てトレードでツインズに加入したサンタナは、00年は30試合で防御率6.49とまったく戦力にならなかったが、徐々に力をつけて球界を代表するエースへと成長した。

 また、05年オフのルール5ドラフトでダイヤモンドバックスからマーリンズへ移った二塁手のダン・アグラは、移籍1年目でいきなり新人二塁手のMLB記録を塗り替える27本塁打の活躍。ルール5ドラフト移籍1年目でオールスターに選ばれるという史上初の快挙も成し遂げ、その後も5年連続30本塁打以上を記録するなど活躍した。

 では、日本で実際にルール5ドラフトに似たシステムを導入するとしたら、どのような仕組みが最も有効なのだろうか。第2回では、対象選手やドラフトの進め方について具体的な提言を含めて掘り下げていきたい。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

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