●ロッテ:C
前代未聞の3回抽選に外れるという不運に見舞われた。
ただ、この間指名した4選手はどれも違うタイプで、どんな選手が欲しいのかが見えにくかった。純粋に実力だけを見たのだろうが、その分戦略は上手い方ではなかった。
4人目で選んだ上田希由斗(明治大)は大学屈指のスラッガーとの評判だが、守れるところが限られるのが欠点だ。三塁には安田尚憲がいるし、せいぜい上田はファーストにして山口航輝を外野に回すしかない。安田、山口、上田のクリーアップにはロマンを感じるが、守れない分どう埋めていくかは課題になっていくだろう。
2位で評判の即戦力投手・大谷輝龍(富山サンダーバーズ)を指名したのち、3、4位で高校生投手を指名。磨けば光る逸材を指名できた。ロッテは投手陣の枚数は薄くはないので、高校生を指名して厚みを加えていくという狙いは非常に理解できる。
藤岡裕大、中村奨吾の後釜になる二遊間の選出はなかったが、現有戦力で十分と考えているのだろう。最後に指名した寺地隆成(明徳義塾)は攻撃型の選手。今のチーム事情に合致していると言える。
●日本ハム:C
2度抽選を外した後、東洋大の剛速球サウスポー細野晴希で決着した。
最速158キロの素材はあるが、制球力に不安がある。加藤貴之や上沢直之らに移籍の可能性があるにしても、日本ハムの先発陣は割と育ってきている。
この1、2年でさらに陣容は固まっていくと思うが、その争いに勝ち抜けるかが課題だろう。1位だからといってローテーションは約束されていない。ややもするとリリーバーに回るかもしれないし、その方が使い道はあるだろう。宮西尚生が晩期を迎えているだけに、世代交代の波に乗りたいところだ。ともかく高めにしかいかない投球フォームの改善から目指すことになりそうだ。
2位では大学No.1捕手の進藤勇也(上武大)を指名したが、ここ数年の日本ハムは捕手が育っていない。事実、トレードを繰り返すばかりで、今年はFA加入の伏見寅威、マルティネス、郡司裕也と補強した選手の活躍が目立った。清水優心や進藤の大学の先輩・古川裕大もいる中で、どう出場機会を捻出していくのだろうか。だとすれば、2位で捕手を指名をしている余裕は果たしてあったのかどうか。
一方、そうこうしているうちに手薄な二遊間は埋めることができなかった。特に高校生の遊撃手が関西のチームに総取りされてしまったことは、後々大きく影響してくるかもしれない。
文●氏原英明
【著者プロフィール】うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『SLUGGER』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設。このほど、パ・リーグ特化のWEBマガジン「PLジャーナル限界突パ」を創刊した。
【2023ドラフト候補ランキング最終版|11~20位】大学球界No.1捕手の上武大・進藤、桐蔭横浜大・古謝などドラ1候補が続々登場<SLUGGER>
【2023ドラフト候補ランキング最終版|21~30位】山梨学院大・宮崎、仙台大・辻本など大学球界で活躍する注目野手の順位は<SLUGGER>
【2023ドラフト候補ランキング最終版|31~40位】独立リーグに現れた豪腕に加え、明大が誇る不動のエース・村田もランクイン<SLUGGER>
前代未聞の3回抽選に外れるという不運に見舞われた。
ただ、この間指名した4選手はどれも違うタイプで、どんな選手が欲しいのかが見えにくかった。純粋に実力だけを見たのだろうが、その分戦略は上手い方ではなかった。
4人目で選んだ上田希由斗(明治大)は大学屈指のスラッガーとの評判だが、守れるところが限られるのが欠点だ。三塁には安田尚憲がいるし、せいぜい上田はファーストにして山口航輝を外野に回すしかない。安田、山口、上田のクリーアップにはロマンを感じるが、守れない分どう埋めていくかは課題になっていくだろう。
2位で評判の即戦力投手・大谷輝龍(富山サンダーバーズ)を指名したのち、3、4位で高校生投手を指名。磨けば光る逸材を指名できた。ロッテは投手陣の枚数は薄くはないので、高校生を指名して厚みを加えていくという狙いは非常に理解できる。
藤岡裕大、中村奨吾の後釜になる二遊間の選出はなかったが、現有戦力で十分と考えているのだろう。最後に指名した寺地隆成(明徳義塾)は攻撃型の選手。今のチーム事情に合致していると言える。
●日本ハム:C
2度抽選を外した後、東洋大の剛速球サウスポー細野晴希で決着した。
最速158キロの素材はあるが、制球力に不安がある。加藤貴之や上沢直之らに移籍の可能性があるにしても、日本ハムの先発陣は割と育ってきている。
この1、2年でさらに陣容は固まっていくと思うが、その争いに勝ち抜けるかが課題だろう。1位だからといってローテーションは約束されていない。ややもするとリリーバーに回るかもしれないし、その方が使い道はあるだろう。宮西尚生が晩期を迎えているだけに、世代交代の波に乗りたいところだ。ともかく高めにしかいかない投球フォームの改善から目指すことになりそうだ。
2位では大学No.1捕手の進藤勇也(上武大)を指名したが、ここ数年の日本ハムは捕手が育っていない。事実、トレードを繰り返すばかりで、今年はFA加入の伏見寅威、マルティネス、郡司裕也と補強した選手の活躍が目立った。清水優心や進藤の大学の先輩・古川裕大もいる中で、どう出場機会を捻出していくのだろうか。だとすれば、2位で捕手を指名をしている余裕は果たしてあったのかどうか。
一方、そうこうしているうちに手薄な二遊間は埋めることができなかった。特に高校生の遊撃手が関西のチームに総取りされてしまったことは、後々大きく影響してくるかもしれない。
文●氏原英明
【著者プロフィール】うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『SLUGGER』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設。このほど、パ・リーグ特化のWEBマガジン「PLジャーナル限界突パ」を創刊した。
【2023ドラフト候補ランキング最終版|11~20位】大学球界No.1捕手の上武大・進藤、桐蔭横浜大・古謝などドラ1候補が続々登場<SLUGGER>
【2023ドラフト候補ランキング最終版|21~30位】山梨学院大・宮崎、仙台大・辻本など大学球界で活躍する注目野手の順位は<SLUGGER>
【2023ドラフト候補ランキング最終版|31~40位】独立リーグに現れた豪腕に加え、明大が誇る不動のエース・村田もランクイン<SLUGGER>
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