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「『マジでこいつ誰だよ?』って思ったね」元オールスターガードが受けたウェイドの衝撃「悪夢みたいだった」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.07.30

デイビス(左)はウェイド(右)の速さに衝撃を受けたという。(C)Getty Images

 2003年のドラフトは、NBA史上最高の"当たり年"のひとつとして知られる。ルーキーシーズンは1位指名のレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)と、3位指名のカーメロ・アンソニー(元デンバー・ナゲッツほか)が注目を集めたが、5位でマイアミ・ヒートに入団したドゥエイン・ウェイドこそが、最も早く鮮烈なインパクトを残した存在だった。

 デビュー時、193cm・96kgだったウェイドは1年目の2003-04シーズンから平均16.2点、4.0リバウンド、4.5アシスト、1.41スティール、フィールドゴール成功率46.5%を記録し、チームをイースタン・カンファレンス4位の42勝40敗に導いた。

 スタッツではレブロン(平均20.9点、5.5リバウンド、5.9アシスト)やカーメロ(平均21.0点、6.1リバウンド)を下回ったウェイドだが、真の輝きを放ったのはプレーオフの舞台だった。

 ニューオリンズ・ホーネッツと対戦した1回戦の初戦。同点で迎えた第4クォーター残り10秒、ボールを受けたウェイドは、クロスオーバーを仕掛けてバロン・デイビスをかわすと、そのままペイント内へ進入。ジャマール・マグロワのブロックをものともせず、難しいフローターを沈めて81-79と劇的な勝利をもたらした。

 この場面でウェイドとマッチアップしていたデイビスは、7月中旬にポール・ジョージ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)のポッドキャスト番組『Podcast P with Paul George』に出演。当時をこう振り返っていた。

「ウェイドと対峙した時、『マジでこいつ誰だよ?』って思ったね。速すぎた。あのショットを決めた時は、本当にやられたって感じだった。すごいショットだったよ」
 
 プレーオフデビュー戦でウェイドはチーム最多となる21得点に5リバウンド、5アシストをマークした。

 オールスター出場経験を持つデイビスは、キャリアでスティール王に2度輝いたほか、プレーオフ平均2.28本は歴代トップと、平均以上の守備力を持っていた。当時のリーグにはジェイソン・キッドやトニー・パーカー、アレン・アイバーソンといったスターガードがいたが、ウェイドの出現は衝撃だったようだ。

「悪夢みたいだったよ。俺はディフェンスにプライドを持っていた。でも、結局はオフェンスが勝つリーグなんだ。ウェイドはシリーズを通して『誰だよこいつ?』って感じだった。マジで止められなかったんだよ。

"フラッシュ(閃光)"って呼ばれてたけど、まさにその通りだった。彼がポイントガードをやってて、俺がマッチアップしていた頃なんか特にね。俺よりデカくて速いし、ジャンプ力もすごい。マジでクレイジーだった」

 1年目はポイントガードを務めたウェイドだが、2年目からシューティングガードにポジションを移行したため、デイビスは安堵したという。

「彼がシューティングガードにポジションを移してくれてホントに良かったよ。あのままだったら、こっちはたまらなかったからね」

 その後、ウェイドはシャキール・オニールとコンビを結成し、キャリア3年目の2005-06シーズンにヒートを初優勝に導いている。レブロンやカーメロとともに03年組を代表するスターとなったウェイドは、その中でも誰よりも早く、クラッチプレーヤーとしての地位を確立したと言っていいだろう。

構成●ダンクシュート編集部

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