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ラッセル、チェンバレン、ロバートソンらが大会を彩り、”オールスター”と呼ぶにふさわしい華やかな舞台に【NBAオールスター全史|1960~69年】

出野哲也

2020.02.12

チェンバレンは62年大会で42得点を叩き出すも、チームは敗れMVPの栄光もペティットの頭上に。(C)Getty Images

 2月14~16日(日本時間15~17日、日付は以下同)に開催される年に一度の祭典、NBAオールスター。東西のスーパースターが一堂に会する本戦をはじめ、スラムダンク・コンテストや3ポイントコンテストといった各種イベントが行なわれるこの夢舞台に、今年は八村塁(ワシントン・ウィザーズ)がライジングスターズ(キャリア1、2年目の選手が覇を競い合う若手版オールスター)にチームWORLD(アメリカ国籍以外の選抜メンバー)の一員として参戦。日本のファンからの注目度も、これまでにないほど高まっている。

 このお祭りを余すことなく楽しむためにも、今一度これまでの大会を振り返っておくべきだろう。今回取り上げるのは1960年代。ビル・ラッセル、ウィルト・チェンバレン、オスカー・ロバートソンといったスーパースターたちが大会を彩り、まさに"オールスター"と呼ぶにふさわしい華やかな舞台となっていった。
 
■伝説のビッグマン対決がオールスターで実現

 1960年代はスター選手が続々と現われ、球宴の舞台を彩るようになった。60年はルーキーのウィルト・チェンバレン(当時フィラデルフィア・ウォリアーズ/現ゴールデンステイト・ウォリアーズ)が、地元開催の大会で23得点、25リバウンドをマークしMVPを獲得。チェンバレンは62年大会で42得点を叩き出したが、これは2017年にアンソニー・デイビス(当時ニューオリンズ・ペリカンズ/現ロサンゼルス・レイカーズ)が52得点をあげるまで、55年間破られなかった大記録だった。

 ただ62年のMVPは、現在も大会記録となっている27リバウンドを稼ぎ、ウエストの勝利に貢献したボブ・ペティット(当時セントルイス・ホークス/現アトランタ・ホークス)の手に渡る。この受賞により、ペティットはリーグ史上最多となる4度目の受賞となった。

 61年はオスカー・ロバートソン(当時シンシナティ・ロイヤルズ/現サクラメント・キングス)が23得点、9リバウンドに加え、当時の新記録となる14アシストをマーク。こちらもキャリア1年目でMVPに輝いた。ロバートソンは64、69年にもMVPを受賞。65年はジェリー・ルーカス、史上最多の43点差がついた66年は、大会出場1回のみでMVPになった唯一の選手、エイドリアン・スミスが戴冠しており、ロイヤルズ勢が10年間で5度もMVPに選ばれた。
 
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ラッセルとチェンバレンのライバル対決が球宴の舞台で実現